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これからの社会に適応できる子どもの育て方③AI社会
ウサギ仙人(ウ仙)からこれからの社会に適応できる子どもの育て方を伝授してもらっていた亀子であったが、
ウ仙「コロナによって、社会が変化したことの3つ目はAIとの対話が増えたということじゃな」
亀子「たしかに手続きをする時に、AIとチャットするという機会が増えましたね」
ウ仙「コロナ禍が始まった時に、飛ばなくなった国際線の航空券の払い戻しをAIチャット相手に手続することになったんじゃ」
AIが作る選択肢の罠
ウ仙「AIとチャットしていて、わしは返金してほかったのじゃが、航空会社としては、もう一度自分の会社で航空券を予約してほしいから、一年間有効のマイルで返還するという選択肢を用意してきた」
亀子「コロナが一年で済むかはわからないですよね」
ウ仙「何回AIとチャットしても"Refund"という選択肢を用意してこなかったので、こちらから銀行口座を知らせて『ここにRefundしないと、裁判を起こしてもいい』と半ば脅しを入れると、学習してくれて、銀行口座に航空券代を振り込んでくれたんじゃ」
亀子「さすがウサギ仙人様。泣き寝入りしなかったんですね」
新しく選択肢を作る思考力
ウ仙「AIとの会話は、AIの知識の範囲の中での選択肢から選ぶというやり方じゃから、こっちの意向に沿うかどうかはわからないんじゃ」
亀子「多くの日本人は与えられた選択肢の中から選びそうですね」
ウ仙「うちの娘がドバイでスイカをもらった話をしたことがあるじゃろ。多くの日本人は、自分のわかる選択肢の範囲で物事を選択してしまうんじゃよ」
亀子「『レッド』と言って、スイカをゲットした話ですよね」
ウ仙「AI社会は、AIを操る人間にとって都合のいい選択肢しか用意されないから、その選択肢にない新しい選択肢を作ることのできる人間が生き残れるのじゃよ」
亀子「どうすれば、そういう人間になれるんですか?」
体験重視の子育てと思考訓練
ウ仙「一つは、AIの知識を凌駕する体験をするということじゃな」
亀子「AIの知識を凌駕する体験?」
ウ仙「いわゆる『頭でっかち』にならないように、体験から物事を考えるということじゃな」
亀子「本やインターネットの世界から仕入れた知識にとらわれないということですね」
ウ仙「まぁそういうことじゃ。それと自分なりの意見を持つような関わりをするということじゃな」
亀子「自分なりの意見を持つような関わり?」
ウ仙「子どもは4歳くらいになる、いろんなことに興味を持って『なぜ』という言葉を連発するようになる」
亀子「『なんでだろうね?』って切り返してしているんですが・・・」
ウ仙「子どもなりの意見を言ってくるじゃろ?その意見がどんなに稚拙であったとしても『いい考えだね』と相槌を打ってやるんじゃよ」
亀子「意見がしょーもなかったら、突っ込んでしまいますが・・・」
ウ仙「子どもの知識や世界観はたかが知れているんじゃ。しかし『自分で考えた』ということを評価するのがいいんじゃよ」
亀子「なかなか難しいですがね」
ウ仙「子どもと同じ目線に立つように意識することじゃな」
亀子「なるほど」
こうして亀子はレベルが上がった。
AI社会が進んだとしても、自分の頭で考えることを重視しようと決意した。
(つづく)