マガジンのカバー画像

それは忘れられないもの

4
運営しているクリエイター

記事一覧

どういうことだよ仮面ライダー(シン・仮面ライダー感想)

 人によってはこの表題のせいで、私が映画の内容について文句を言いたいのだと受け取られるかもしれない。しかし誤解しないで頂きたいのだが、本日公開されたシン・仮面ライダーはとても面白かった。敵幹部はそれぞれ一癖あって面白いし、ルリ子が可愛い。本郷は近年稀に見る好漢で、誠実を体現したような人間であるし、何よりルリ子が凛としていてとても良い。とにかくルリ子が凄く良い。ルリ子の元へアカデミー賞が来い。
 そ

もっとみる

シン・ウルトラマンで学ぶ人間の情緒(シン・ウルトラマン感想・2)

 以下の内容は、先日アップした怪文書が前提となっています。

 別に読まなくてもいいですが、心境の変化がジェットコースターなのが体感できると思います。
 この場を借りてささやかに釈明することが許されるなら、普段はここまで重い感情を推しに抱くことはないし、というかむしろ幼女(当時)にここまで思わせる方がどうかしていると思います。
 今回はもはやお気持ち表明文ですらなく、自分と自分の中のウルトラマン像

もっとみる

ほんまそういうとこやぞウルトラマン(シン・ウルトラマン感想)

 タイトル通りシン・ウルトラマンの感想というか、幼稚園時代に抱えていたウルトラマンへの激重感情が蘇って正気を失った女のお気持ち表明文です。だいたい正気を失っているのでご注意ください。

 私がウルトラマンに出会ったのは三十年くらい前だろうか。当時私は幼稚園児で、お昼だか夕方にやっていた再放送のウルトラマンが最初に観た特撮だったと思う。
 再放送で観たウルトラマンの記憶はほとんど朧げで、どんなエピソ

もっとみる
追悼 宮沢章夫 『戯曲ではない。台本があった。手書きなのであった。』 松尾スズキ

追悼 宮沢章夫 『戯曲ではない。台本があった。手書きなのであった。』 松尾スズキ

 宮沢さんは、出会った頃、ノートに、とてもかわいい手書きの文字で、台本を書いていた。

「僕の字は、いしいひさいちの字とまったく同じなんだ」

 と、自嘲と自慢が微妙に入り混じった感じで、宮沢さんはおっしゃっていた。そう、四コマ漫画に添えられている字っぽいのである。

 とっておけばよかった。ひしひしとそう思う。あの手書きの台本。 
 劇作家である宮沢さんの作品を「台本」と書くには訳がある。
 宮

もっとみる