白馬村(中国)2017
四川省へ
去年もそうであったが、今年もI氏(日本人)と一緒に四川へ行くことになった。I氏は香港の ST World(*1) という旅行会社を経営している。そして何よりもチベットに思い入れのある方で ST World そのものもチベット方面を得意としている旅行会社である。
そして四川の成都で合流なのだがどういうわけか去年同様飛行機遅延で合流できず、半日遅れの合流となって旅に出ることになった。悪い運は先に使い果たしたと決め込み、これからの面白いことに期待をかけることにした。今年のチャーター車のドライバーは去年のドライバーを務めた趙さんの兄が担当し、さっそく成都から東チベットエリアである北へ向かったのである。
白馬村 Baima
今年はまずは九寨溝方面(訪れたのは2017年の7月。この時はまだ大地震が起きていない)から回ることにした。九寨溝は世界遺産に登録されている超有名な観光地。今までは人がごった返すようなところは敬遠していたのであったのだが去年も四川に来ているので時間的精神的に余裕も出てきたので、ちょっと観光地ものぞいてみようか、という方向で予定を組むことになっていたのである。
成都から九寨溝に向かう途中にというか九寨溝の一歩手前に白馬村というのがある。ここには白馬チベット族というチベット族の一支系が住んでいる。その白馬チベット族は他のチベット族とは異なる特徴のある帽子で際立っている。それはまるでシャンプーハットのような感じなのである。強引に例えるならば深みのないパナマ帽のつばの部分を一周全て波状の曲線にしたといえばいいのだろうか。そして大きい鳥の羽を差し挟み、チベット同様に高山で有名なチロリアンハットを少し連想させる雰囲気を出している。前々から九寨溝方面を検索すると時折出てくるこの白馬の支系は非常に気になっていたので寄ることにした。
白馬村に入り土産物屋が軒を連ねる通りに行くと観光用であろうか民族衣装を着ている方が数人見られる。歩いていると、とある商店の女性が白馬チベット族の踊りを見ないかと勧誘してきた。折角なので誘いに乗ってみた。女性はすぐに現地に電話をかけどうやらすぐに人が集められ踊りが見られるらしいという。車でさほど遠くもないところまで移動し山の上の村に着いた。どうやらここは白馬の中でもまだ開発されていないエリアでこれから観光的に売り出したいらしい。集落を歩くと現地の老人たちは手垢にまみれた民族衣装をいまだに身にまとって生活しているのである。踊りをする方々はどちらかといえば余所行き感のあるいかにも観光用に着てます、という感じではあるが。しかしまだまだ民族衣装そのまま生活している人が結構いることがちょっと意外であった。インフラの発展著しい中国でも田舎に行くとまだまだ昔の状態が保たれているエリアがあるのだろう。もちろんインフラ関係なく民族衣装のままの方もいるだろうけど。
総勢10人ちょっとであろうか、踊り手が集められ山々が見えるところで踊りを披露してくれた。日本で登山もしている自分からすると白馬という言葉は風光明媚な山を連想させる。その北アルプスにある白馬岳は人気のかなりある山で特に夏の高山植物が咲き誇る時期は多くの登山客で山小屋はすし詰め状態になるほど。その白馬に名前負けしないほど美しい景色を眺めながら踊りはなかなか心地がよいものであった。タルチョ(*2)がはためく広場の下、輪になり歌いながら踊る様子は背景も相まって山々などの自然の賛歌でもあるように見えたのである。これから売り出すということではあったが、できれば開発はあまりせずにこのままの鄙びた集落の雰囲気を残してほしいものかなと思い集落を後にした。
このほぼ一か月後の2017年8月8日に九寨溝大地震が発生し、九寨溝を中心に甚大な被害をもたらした。多くの方の身の安全と現地の少しでも早い復興をお祈り申し上げます。
*1 現地スタッフは日本語堪能な人ばかりなので日本語での問い合わせが可能。
*2 チベットの五色の祈祷旗。
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ホムペ
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