国指定名勝月ヶ瀬梅渓
2024年2月18日は12:10より奈良市の国指定名勝月ヶ瀬梅渓のロマントピア月ヶ瀬さまにて春一番梅の郷ふれあい祭りにてライヴ出演させて頂きました。
不覚なことに2月に入り体調不良となり、数日前まで咳が抜けない中、1~2音音域も低くなり、天候も心配でしたが、「晴れ男」の面目バッチリ保つことが出来ました。伊賀よりお越しのダンスインストラクター日根野さんも晴れ女ということで二人のパワーが合わさったのか、予想以上の好天で嬉しくなりました。
奈良県指定無形文化財の奈良晒の伝承施設でもあり、関西二番目のRVパーク(この言葉、恥ずかしながら今回はじめて知りました)、また地元産の漬物や野菜などが激安価格で購入できるロマントピア月ヶ瀬さんは梅渓へのアクセスも抜群。
梅の幼木が並ぶ登坂の下には白梅・紅梅、一重八重の種々様々な梅が品種園が。今年は温かいこともあり、2月中旬の今でも素晴らしく咲き誇っており、改めて感動! 南入り口近くには津藩出身で紀行文「梅渓遊記」で月ヶ瀬梅渓を全国的に有名にした斎藤拙堂翁の碑も建っております。
西側の天神梅林を過ぎた天神社には昭和48年月ヶ瀬小唄録音を記念し、最近亡くなった八代亜紀さんが植樹した亜紀さんの梅が、こちらは残念ながら花は咲いていませんでした。近くには1831年訪問し日本全国に月ヶ瀬梅渓を広めた頼山陽の碑も建てられています。
東に進むと茶店が建ち並ぶ帆浦梅林に、中でも一目八景からの景色は扉でも紹介しましたが、筆舌尽くしがたいものがあります。
茶店では当地限定の梅肉入りのソフトクリームや気持ちもあったかくなる焼きもち、糀一杯の「飲む点滴」の甘酒などが楽しめました。
月ヶ瀬梅林発祥と伝わる真福寺さんは奈良市指定文化財のご本尊地蔵菩薩を祀り、1331年後醍醐天皇が笠岡山に身を寄せられた際に女官数人が月ヶ瀬に逃れ、うちの一人で倒れていた姫若を村人が助けた事により、感謝の意味で当地に梅を植えて得れた梅で口紅を作る技法を伝授したと伝わります。その後紅花染の媒介剤として高額で売れる様になった「烏梅」製造の為、村人はこぞって梅を植え1640年頃には村は梅の郷になっていたそうです。姫若の梅も花が咲きつつあり、長い歴史の生き証人として様々な時代の移り変わりを見てきたのでしょうね….。 烏梅の誕生についての絵本は各所で販売されています。
月ヶ瀬梅渓は1922年(大正11年)に兼六園・奈良公園とともに第一号の国指定名勝となっており、近代の文人墨客も多く訪問。中でも谷崎潤一郎は「観光名所といえば行ってみるとそれほど大したことのない処が多いが、吉野の桜と月ヶ瀬の梅は何度でも行ってみたくなる」と述べています。そのほか種田山頭火、富岡鉄斎、奥原晴湖、田山花袋らや、幕末の勘定奉行で日露和親条約を調印した川路聖謨も月ヶ瀬を訪問したことが知られています。
3月24日まで開催されている「春の資料展」では奈良市指定文化財から頼山陽筆「萬玉亭」扁額などが展示されています。
またロマントピア月ヶ瀬の東には奈良時代前期~平安時代の集落跡である尾山代(おやみで)遺跡があり、南山城村の隣接する桃香野地区には江戸中期に旅籠として使用された茅葺民家菊家家住宅(重要文化財)も残されています。
月ヶ瀬梅渓梅まつりは3月24日まで開催されています。絶景に美食に歴史文化に、いにしえの文人に思いをはせてみるのもよいかもしれません。
是非百聞は一見に如かず、月ヶ瀬梅渓ご訪問ください!