教員の勤務時間とは
教員は授業の準備をする時間が勤務時間内に用意されていないことが当たり前です。
学級の掲示(現在ではユニバーサルデザインの関係で少なくなっていますが)の作成時間も勤務時間外に行わなければならないです。
特に時間を要するもののうちあまり議論されないような業務についてあげていきたいと思います。
1.成績処理に関して
3学期制をとっている学校にとって学期末の時期はとても忙しくなります。
特に、この成績処理に関しては大変です。
学校は絶対評価を取ってはいるものの、相対評価で評価せざるを得ないものもあります。
たとえば、全員5だったらその評価を見た外部の人が「本当に正しく評価しているのか?」と疑いの目で見られるそうです。
変な話ですが、みんなが素晴らしく成績がいいという状況はありえないそうです。
だから、おおよそ平均値あたりになるはず…という相対的な思考で評価をつけざるをえない場合があります。
そもそも、各観点で”何%以上理解していたら・テストやレポートの点数が取れていればAである”といった絶対評価のように見える評価の仕方も相対評価の要素を含んでいることはわかると思いますが…(笑)
この成績をつけるという作業にとられる時間はおよそ1クラス1時間程度。
つまり、中学校で主要5教科の教科担任は4クラス前後を受け持つことから、成績処理だけで4時間以上かかることになります。
さらに、この後点検(2時間)、印刷(30分)、配布のための準備(1時間)などとにかく時間がかかっています。
多分”成績処理”と呼ばれる作業で8時間はかかります…
2.テスト作成に関して
学期末といえばテストですよね。
学習の定着度を図るためのものとしてテストは存在しています。
成績をつける際には必ずといっていいほどテストの点数というものは必要になってきます。
なかなか授業中に学習の定着度を図ることは現状難しいですからね。
このテスト作成にかかる時間はおよそ6.5時間程度。
個人差が大きいと思いますが、自分の勤務校の先生方の平均値はこのようでした。
どの程度の難易度にするのか、どのような内容を出題するのか、用いる図は著作権など大丈夫か(ダメなら自分で作図することも…)など考慮するものが多く時間がかかってしまいます。
また、一度テストを作成したら教科主任や学年主任、教務主任、教頭、校長と点検をしてもらいます。
その後の修正なども含めると最低でも8時間は作成にかかります。
3.単元テストなどの小テストの採点
定期的に採点しなくてはならない単元テストや小テストです。
単元テストは採用している会社によって採点のしやすさが異なります。
自分は比較的採点がしやすいものですが、丸つけ+採点で1クラス1時間はかかります。
自分は4クラス持っているので定期的に(約2、3週間に1度程度)採点のために4時間の作業があります。
4.ワークやノートの点検
ワークや授業ノートの点検も学習習慣の確立をしていくためにもしなくてはならないとよく言われます。(自分は全くそうは思いません)
ノートの点検は本当に大変。
字が汚すぎて読めない子や、どこに何を書いてあるのか時系列がバラバラな子などいて読み解くのに時間を使います。
たまに字がすごく綺麗で自分の考えや他人の考えをわかりやすくまとめ、振り返りなど書いてあるノートを見ると感動してしまいます(笑)
ワークは単元テスト毎に集めていますが、1クラス約20分ほど。
つまり、2、3週間に1回80分ほどワーク点検の時間がかかります。
ノート点検は定期テストの時に集めていますが、1クラス2時間程度かかります。
つまり、1回8時間のノート点検が年3回待っていることになります。
最後に
今後変形労働制が導入されることになりそうですが、規定を満たすことができる自治体はどのくらいいるのでしょうか、すごく気になりますね。
授業準備も勤務時間にできない状況で時間外勤務時間をつき45時間にはすることは不可能ではないでしょうか?
週の授業時数を中学校であれば20コマ前後から15コマ前後に最低でもしなければ、日々の作業時間がありません。
休日に出勤扱いしないで作業に当たっている初任者の方などを見えますが、そんなのおかしくないでしょうか。
少しでも働き方の適正化が進むように働き方や現状しなくてはならない作業の見直しなどをどんどん進めていく必要がありそうです。
自分はどんどん効率的にやっていきたいと思います。
しかし、満たせなくても群馬教育委員会のように出退勤の時間の正確な打刻をしないことによって、表面上導入できる環境を作ってしまうのでしょうか(笑)
少なくとも自分が勤める自治体では無理そうですが、無理やり導入させられるのでしょうか…
やたら管理職が出退勤に厳しくなったような……まさか……ね…