ウィジェット

マガジン

  • THE LEGENDS

    古代ローマの偉人たち

  • Art of the Rome

    古代ローマの絵画を紹介しています。 This magazine introduces ancient Roman paintings.

  • 古代ローマ格言集

    古代ローマの格言をまとめています。

  • 古代ローマ用語集 | Glossary

    古代ローマの用語を解説しています。

  • THE ROME

    古代ローマドキュメンタリー🎞️ https://www.youtube.com/@ArtoftheRome

  • 古代ローマドキュメンタリー『THE ROME』ロ…
  • 古代ローマ 7人の王 〜王政時代の支配者たち〜 …
  • 古代ローマの公衆トイレ事情 | How the …

最近の記事

  • 固定された記事

古代ローマの原点: 知られざる古代イタリア最強民族・エトルリアの真実

Introductionかつて、地中海世界及びヨーロッパの大半を支配していた古代ローマ。 その学術的価値やエンターテインメント性に、古今東西かかわらず多くの人が魅力されています(多分に漏れず、筆者もそのひとり♡)。 しかし、ローマが勢力を拡大する以前、イタリア半島のほぼ全土が、ある民族に服していたことはあまり知られていません。 紀元前9世紀頃にイタリア半島北部で繁栄し、イタリア半島のみならず地中海貿易を支配していたとされる エトルリア人(Etruscans) 。 建築

    • 【古代ローマ人物伝】ロムルス(Romulus)

      基本情報名前:ロムルス 生年:紀元前771年頃(推定) 死年:紀元前717年頃(推定) 母親:レア・シルウィア 父親:マルス(戦の農耕の神) 弟:レムス 妻:ヘルシリア 出自:アルバ・ロンガ(?) ロムルスはローマの創設者および初代王とされる伝説上の人物。数々の事業や実績を残したと伝えられています(英語の「Rome」を「ロゥム」と発音するように、「ローマ」という名前は彼の名前からとったものだとされています)。 ロムルスはラティウム地方にあった都市アルバ・ロンガで、双子の

      • サビーニの女たちの仲裁 | The Intervention of the Sabine Women

        『サビーニの女たちの仲裁』は、ローマ建国神話に登場する「サビーニの女たち」の物語を描いています。 ローマ建国当初、ローマの市民たちは人口増加を求め隣国のサビーニ族から女性を誘拐して妻にしました。その結果、ローマとサビーニ族の戦争が勃発します。 戦争の最中、サビーニの女性たちは夫と父親が戦っていることに苦しみ、戦争を止めるため仲裁に入ったのです。絵画中央で手を広げているのがロムルスの妻であるヘルシリア。右で槍を構えているのがロムルスで、左がサビーニ族の王ティトゥス・タティウ

        • 【古代ローマ格言】あの人は、あの人のことばかり気にかける。この人は、あの人のことばかり気にかける。そして、だれひとり、自分のことは気にもかけない

          古代ローマの哲学者セネカの『人生の短さについて』の中に登場する言葉です。 人生を有意義に生きるための考え方や姿勢について述べた哲学的な随筆です。セネカは人生を浪費してしまう原因として「他人ばかりを気にする」ことを挙げ、人々がしばしば自分自身に集中せず、他人の行動や意見にとらわれがちである様子を描写しています。 人は他人の成功や失敗、行動や発言に気を取られることで、結局は「自分自身」を見失っているということです。 These words are from On the S

        • 固定された記事

        古代ローマの原点: 知られざる古代イタリア最強民族・エトルリアの真実

        • 【古代ローマ人物伝】ロムルス(Romulus)

        • サビーニの女たちの仲裁 | The Intervention of the Sabine Women

        • 【古代ローマ格言】あの人は、あの人のことばかり気にかける。この人は、あの人のことばかり気にかける。そして、だれひとり、自分のことは気にもかけない

        マガジン

        • THE LEGENDS
          2本
        • Art of the Rome
          9本
        • 古代ローマ格言集
          2本
        • 古代ローマ用語集 | Glossary
          10本
        • THE ROME
          1本
        • 古代ローマニア図鑑
          76本

        記事

          双子を拾うファウストゥルスとアッカ・ラーレンティア | Faustulus and Acca Larentia Finding the Twins

          「双子を拾うファウストゥルスとアッカ・ラーレンティア」はローマ神話の中でローマ建国者ロムルスと弟のレムスが生き延びる重要な瞬間を描いています。 双子の誕生には実の父であるマルス(戦と農耕の神)と母レア・シルウィアの不運な運命が絡んでいます。レア・シルウィアはヌミトル王の娘で、貞潔を誓わされたヴェスタの巫女(みこ)でした。 しかし、偶然マルスとの間に双子をもうけてしまい、このことが王家の後継争いの火種となり、双子は川に流されてしまいます。 やがてテヴェレ川の岸に流れ着いた双

          双子を拾うファウストゥルスとアッカ・ラーレンティア | Faustulus and Acca Larentia Finding the Twins

          【古代ローマ用語解説】属州(provincia

          古代ローマにおける「属州」とは、古代ローマが自分の領土として支配していたイタリア半島以外の異民族の都市を指します。ローマの本国以外にあり、ローマが戦争や外交で手に入れた地域を属州として管理しました。 これらの地域では、ローマが指定した総督(属州総督)が統治し、そこから税金や資源を集めてローマの発展や防衛に役立てていました(もちろん、自分の懐にも入れていました)。属州はローマの一部ですが、現地の人々の文化や習慣もある程度尊重され、ローマの法律やインフラが徐々に広がっていきま

          【古代ローマ用語解説】属州(provincia

          【古代ローマ用語解説】自治市(municipality)

          自治市とは?古代ローマにおける「自治市」は、広大なローマ帝国を支えるための地方行政の要とされていました。 自治市はもともとローマによって征服された都市や地域に設立されましたが、単なる属国や征服地とは一線を画していました。ローマの支配下でありながらも独自の政治、経済、文化を維持することが許され、帝国全体の安定に大きく貢献していたのです。そのため、自治市の住民にはローマ市民権が与えられることも多く、ある意味で「ローマ人」としてのアイデンティティを共有する特権が与えられていました

          【古代ローマ用語解説】自治市(municipality)

          ローマ建国の母・レア・シルウィアの生涯

          レア・シルウィアはローマ神話に登場する女性で、ローマ建国者ロムルスの母。 アルバ・ロンガの王家に生まれ、父ヌミトルはアルバ・ロンガの王として君臨していました。 しかし、王位を巡る争いにより叔父アムリウスがヌミトルから王座を奪いとります。さらに、アムリウスはシルウィアが王位継承者として子供を持てないようにするため、彼女を結婚や出産を禁じられている「ヴェスタの巫女(みこ)」にし、神殿で奉仕することを強制したのです。 それから数ヶ月がたったある日、軍神マルスがレア・シルウィア

          ローマ建国の母・レア・シルウィアの生涯

          『ホラティウス兄弟の誓い(Oath of the Horatii)』

          ローマの建国神話の一部である「ホラティウスとクリアティウスの戦い」を題材にして描かれた絵画。 第3代目の王トゥルス・ホスティリウスの時代。古代ローマとアルバ・ロンガという都市国家は戦争を避けるため、両者の代表者による決闘で勝敗を決することにしました。運命の巡り合わせか、このとき両国にはそれぞれ背丈が似た三兄弟がいたのです。ローマ側からはホラティウス三兄弟が選ばれ、アルバ側からはクリアティウス三兄弟が選ばれました。この絵画では、決闘の前にホラティウス兄弟が父に忠誠を誓うシーン

          『ホラティウス兄弟の誓い(Oath of the Horatii)』

          【古代ローマ格言】その日を摘め | Seize The Day

          ホラティウスが詩の中で述べた「その日を摘め」という格言は、「今この瞬間を楽しもう」という意味が込められています。 これは古代ローマにおける代表的な人生観(人生は短く、未来は不確実である)で、当時の人々は運命や神々によって人生が左右されると考えられていました。 ホラティウスはそのような不安定な世の中で生きる中で、明日のことを考えすぎるよりも「今」目の前にある一瞬を大切にするよう説いているのです。 未来に過度な期待や不安を抱くことなく目の前のことを楽しむ姿勢は、ストレスの軽

          【古代ローマ格言】その日を摘め | Seize The Day

          『トロイから脱出するアエネアス(Escape of Aeneas from Troy)』

          フェデリコ・バロッチの『炎上するトロイアから脱出するアイネイアース』は、トロイア戦争後のアエネアスの運命を描いた非常に有名な作品です。 トロイを発ったアエネアスはその後イタリア半島に辿り着き、ローマ建国の祖となりました。 この絵画では、故郷トロイの滅亡を目の当たりにしながらも神の導きに従い、新たな土地を求めて旅立つアエネアスの姿が描かれ、運命に従うことの重要性を示唆しています。 Federico Barocci’s "Aeneas Fleeing Burning Troy

          『トロイから脱出するアエネアス(Escape of Aeneas from Troy)』

          【古代ローマ用語解説】植民市(colony)

          古代ローマはその領土拡大の過程で、征服した土地に「植民市(コローニア)」を作り、現地の統治や防衛の拠点としました。わかりやすくいえば、現代の企業でいう「海外拠点」や「支社」のようなものです。 新しい土地にローマ流の文化や生活様式を持ち込みつつ、現地の人々にローマ市民としての意識を植えつけ、ローマの統治に対する忠誠心を醸成することが目的でした。 植民市の種類植民市は大きく分けて2種類あります。 ひとつは、主に軍事的な目的で設置された「ローマ市民植民市(colonia civ

          【古代ローマ用語解説】植民市(colony)

          古代ローマの公衆トイレ事情 | How theAncient Romans Went to the “PUBLIC TOILET”.

          こんばんは! 古代ローマ史特別支援センターのセンター長を務めます、マルスです。 上の動画では説明しきれなかった古代ローマの公衆トイレ事情について、この度note限定で特別に公開いたします(あの坊やには内緒ですよ)。 古代ローマの公衆トイレ事情をもっと知りたい方はぜひご支援いただけますと幸いです(支援センターを存続させるためにもぜひ!)。 古代ローマの公衆トイレ事情は、ローマ帝国の衛生観念や公共インフラの発展を理解する上で重要なテーマの1つです。 古代ローマ人は都市生活

          古代ローマの公衆トイレ事情 | How theAncient Romans Went to the “PUBLIC TOILET”.

          サビニの女たちの掠奪 | The Rape of the Sabine Women

          この絵画では、ローマ王ロムルスの合図によって男たちがサビーニ女性をさらうシーンが描かれています。 ローマが建国された当初、都市は独身女性が不足していました。そこで、ローマ王ロムルスは近隣のサビーニ人の女性たちを力ずくで略奪し、自分たちの妻にしようと企てたのです。 この「サビーニ女の略奪」は暴力的でありながらも、最終的にはローマとサビニ人の間で和平が成立し、両者が統合されるきっかけとなる話として語られています。 それゆえ、後世では絵画のみならず彫刻など他の芸術作品でもたびた

          サビニの女たちの掠奪 | The Rape of the Sabine Women

          ローマの地下に眠る古代遺産!クロアカ・マキシマの謎を解く

          クロアカ・マキシマ(Cloaca Maxima)は古代ローマにおいて最も重要な下水道のひとつです。 クロアカ・マキシマとは「最も偉大な下水道」という意味で、初期ローマ時代の排水システムの象徴とされています。 建設の背景クロアカ・マキシマの建設は、紀元前6世紀頃に遡ります。 当時、都市の低地部分(特にフォルム・ロマーノ周辺)は湿地帯だったため、頻繁に洪水が発生し、不衛生な環境が続いたことで住民の健康が脅かされていました。そこで、ローマよりも文明が発達していた都市エトルリア

          ローマの地下に眠る古代遺産!クロアカ・マキシマの謎を解く

          『 ゲルマニクスの死 (The Death of Germanicus)』

          Art Label ニコラ・プッサンの「ゲルマニクスの死」(1627)は、古代ローマの将軍であるゲルマニクスの最後の瞬間を描いた歴史画です。 第2代ローマ皇帝ティベリウスの養子となったゲルマニクスは、軍事的な成功と民衆からの人気で知られていましたが、紀元19年に謎めいた状況下で急死しました。この絵画は、彼の死が暗殺(毒殺説)であったとされる物語を元にしています。 死の床に横たわるゲルマニクスの周囲に集まる家族や部下たちの姿。ゲルマニクスの顔は穏やかで、死を迎える英雄として

          『 ゲルマニクスの死 (The Death of Germanicus)』