
ナンシー・スペロ:戦争の残虐性を捉える
ナンシー・スペロ:戦争の残虐性を捉える
平和、ヘリコプター、母と子、1968年

紙にグアッシュとインクで描いた作品
アートワークのサイズ 61.0×48.0(cm)24.0 x 18.9 inch)
ヘリコプターと犠牲者、1967年

紙にグアッシュとインクで描いた作品
アートワークのサイズ 61.0×91.4(cm)24.0 x 36.0 (inch)
「抗議」-2007年
前回から、繰り返すが、ナンシー・スペロ(Nancy Spero,1926-2009/アメリカのフェミニスト・アーティスト)が、ベトナム戦争の象徴とみなしていたヘリコプターのイメージが繰り返し取り入れられている。
彼女の作品の多くは、レオン・ゴルブとの50年以上の結婚生活と、残忍な戦闘に巻き込まれる陰惨な人物たちの巨大な絵画で知られる夫でアーティストのレオン・ゴラブとの創作協力から生まれたもので、レオン・ゴルブは第二次世界大戦中の軍隊での経験にインスピレーションを得たものだ。
ナンシー・スペロの 60 年代後半の素晴らしい絵を見て、特に芸術家は嫌悪感を覚えることがあるのだと改めて思い知らされた。スペロはベトナム戦争のヘリコプターを、正確に、客観的に、怪物のような獣として描写することに成功した。

ナンシー・スペロは何十年もの間、政治をテーマに、戦争、権力の乱用、男性優位の社会に反対する主張を表明する魅力的な芸術作品を制作してきました。
ベトナム戦争中に描いた絵画について

そして、ベトナム戦争中に描いた絵画について、スペロはこう語る。
「私の芸術は抗議と言えるかもしれません。戦争の絵画は、憤りを持って描かれたため、間違いなく抗議です。」-Nancy Spero
スペロはさらに、「亡き夫レオン・ゴルブの政治的な影響を受けた作品が、自身の作品に刺激を与えただけでなく、課題も与えた」
「こんなにも…素晴らしい人と張り合うのは、本当に大変でした」-Nancy Spero
(註)レオン・ゴルブ(Leon Golub,1922-2004/アメリカのアーティスト/残虐行為や戦争の描写で著名)

レオン・ゴルブ、そして、レオン・ゴルブのアートワークのリンク
ナンシー・スペロのアートワーク
次回は、年末ということで、今年の第60回ヴェネチア・ビエンナーレのいくつかのアーティストに触れて参りたい事もあり・・・
ランダムなコラムになりますが、ナンシー・スペロのアートワークはまだ続きます。お時間の許す折に
#ナンシー・スペロ #Nancy_Spero #フェミニスト・アーティスト #社会政治的・文化的問題 #フェミニスト #人種差別 #暴力 #性差別 #modernism #絵画 #彫刻 #インスタレーション #とは #コンテンツ会議 #アート #現代アート #戦争 #残虐性 #権力の乱用 #男性優位 #ベトナム戦争 #ヘリコプター #母と子 #レオン・ゴルブ
いいなと思ったら応援しよう!
