「ニュー・アース」 第一章 私たちはいますぐ進化しなければならない
ずいぶん前から「読もう、読もう」と思って、積んだままになっていたエックハルト・トールさんの「ニュー・アース」という本を先頃やっと読み終えました。( ↓ こちらの本です。)
ちょうど今「ネガティブな思考を止めたい」「本当の自分からブレずにいたい」「不安や恐怖に惑わされたくない」「瞑想を深めたい」「もっと瞑想的に生きたい」……個人的にはそんな気持ちが募っているときでした。
また、今というまさに時代の変わり目にさしかかっているようなときに、とても必要なことが書かれているなー、とすごく感じました。
なので、私自身に深く落とし込むためにも、そして、この時代この社会を「生きにくい」と感じていらっしゃる方がもし見て下さるなら、皆さんとシェアできれば「なお幸い」ということで、
この本の内容を順を追って、感想なども含めながら、まとめてみることにしました。この激動の時代を生きていくヒントを共に発見できればと思います。
著者エックハルト・トールさん
著者のエックハルト・トールさんは、1948年ドイツ生まれ、カナダ在住の方(ウィキペディアより)。この本「ニュー・アース」の奥付には「特定の宗教あるいは伝統的な教義に属さない現代のスピリチュアルな指導者」と紹介されています。
本書が出版されたのは2008年。私が持っている本は2021年に発刊された第19版なので、何度も増版されているようです。
ちなみに訳者は『神との対話』シリーズの翻訳もされた吉田利子さんです。
では、さっそく「第一章 私たちはいますぐ進化しなければならない」から見ていきましょう。
この本の目的は
この本を書く「目的」をトールさんは始めにこう言っています。
「意識を変化させること」=「目覚めさせること」
これが一番大きなトールさんが意図している目的のようです。
この章では、「意識を変化させること」や「目覚めさせること」を、「悟り」とも「いまに在る」生き方とも表現されています。
◯どんな風に意識を変えていく必要があるのか
◯現代の私たちはどういう意識の構造を(色んな刷り込みによって)つくってしまっているのか
◯意識を変えるためにはどうしたらいいのか
…ということが、これからいっぱい語られていきます。
目覚めるために必要なことは?
まずはさらっと「目覚めるために必要なことは?」という点についてこんな風に言っておられます。
「目覚め」るために必要なことは、
「目覚めていない自分を『自覚』すること」。
とってもシンプルですが、すごく重要な基本ですね。
瞑想をするときにも、まず先生から言われるのは「考え事が浮かんできたら、浮かんできているということ自体に『気づいて』下さい。」ということ。この基本原則を忘れないようにしたいです。
この原則を知っているだけでも、日々自動的に頭の中に浮かんでくる「思考」にまずは『気づく』ことができる。気づくことで、それ以上思考が広がっていくことを一旦止められます。もっと言うと『気づき続ける』姿勢をいつも忘れないことなのかなあ、とも思います。
「思考する自分」は「本当の自分」ではない
では、どうして『気づく』ことが大切かと言うと、こんな風にも書かれています。
何だか少し難しい言い回しになってきていますが、要するに、
「思考する自分」「考えている自分」は、「本当の自分」じゃないよ、
ということを言っているのだと思います。
「考えている自分がいるな」って気づいている方の自分が、「本当の自分」なんだと、まずは捉えてみたらよさそうです。
「考えている」っていうのは、「脳(もっと言うなら左脳)が働いている」っていうことで。この脳の働きは、私の臓器の一部が動いている現象であって、その結果発生している「考え」とか「思考」そのものは、「私」じゃないよ、ということですよね。
思考との「同一化」をやめる
「思考」を自分自身だと勘違いしていることを、トールさんは「思考と同一化する」とか「エゴと同一化する」という言い方をされています。
思考とかエゴ、感情、身体、物質、役割、そういう「本当の自分ではないもの」と「自分」を「同じもの」だと思い込んでいることが、全ての苦しみの根源になるようです。
だから、例えば答えの出ないようなことを頭の中でグルグル考え続けてしまうようなとき、「あっ!」と「気づいて」、「今、脳が勝手に働いている!」と捉えてみる。
それだけでもずいぶん変化が進みますよね。
思考のグルグルと自分自身が一体となって、考え続けてしまうループにはまっていかないことが「思考と同一化」しないことになります。
機能不全の状態が限界点にきている
トールさんは、この何かと「同一化」している状態のことを、人間特有の「機能不全」の状態だとも言っています。例えば、こんな風に表現されています。
そして、この「機能不全」「狂気」の状態は、長い人類の歴史にはびこる数々の苦しみを生み出している、と。
ということらしいのです。
今という時代は、もう「機能不全」状態の限界点にきている。
これ、すごく分かる気がします。きっと多くの人たちが、今という時代を感じてみたときに、身をもって実感している感覚なのではないかと思います。
それはもう他人事では済まされない、この個である「私」という人間を生きることすら、とても困難に感じることがあるからです。皆さんはどう思われるでしょうか。
「いまに在る」生き方
トールさんは、意識を変化させるために「いまに在る」生き方の重要性をこの後語っていかれるのですが、この第一章ではこんな風にも言っておられます。
今、私たちに早急に求められていることは、「自分も、他者も、自然や動植物も、地球全体をも、愛することのできる実感」なんじゃないかなと感じます。自分自身を(気づかずに)傷つけ続け
、自分をも愛することができない人が、私も含めてきっとたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
まずは「気づく」ことから。自分は自分自身に何をしているのか。何を与えているのか。それにいつも「気づく」こと。
第一章には、歴史上、目覚めて人々に語りかけたブッダやイエス、老子などの先人たちの教えについて触れているところがありますが、そこではこのようにも書かれています。
ニュー・アースという領域
「ニュー・アース」というタイトルは、聖書の「新しい天と新しい地」という言葉からとられているそうです。
(トールさん自身は、「新しいスピリチュアリティ、意識の変容は、たいてい制度化された宗教の外で起こる。」とも書かれていて、いわゆる一般的な「宗教」としてのキリスト教を崇めるような意味合いは感じられません。あくまでも目覚めた人の語った言葉として使われているように思います。)
この「新しい天と新しい地」について、このように語っておられます。
「新しい天」とは、新しい意識の領域のこと。
人の内面の意識の変容が、外の世界に現れて初めて、世界が変わっていく。
人間は「創造」できる唯一の生命体だと、どこかで聞いたことがあります。
まずは一人一人の内側の意識の変容から始める。
内面の変容は全ての大元だから。
そして、それが物質や、在り方や、生き方に表現されていって、世界が創られていく。みんなが各々で創っていく。
それが、今という時代を魂レベルで選んで生まれてきた私たちにとっての大きなひとつの「使命」なんじゃないかなと、私は今ここで静かに感じています。
では、また次回は「第二章 エゴという間違った自己のメカニズム」を紐解いてみようと思います。
投稿はいつになるかは分かりませんが、もしよかったらまたお付き合い下さいませ。
読んで下さって、本当にありがとうございました。ではでは。