材料力学から物体の変形を学ぶ
機械工学の方面の大学(学部)に進学すると必ず通ることになる、通称「4力学」について。主に機械力学・熱力学・流体力学・材料力学の4科目を指しますが、私は高専(工業高等専門学校)でひと通り学びました。
この4力学の中でも「材料力学」が特に好きで、学生時代は研究(専門科目)として取り組んだほどでした。現在の仕事で大いに活かされています。
材料力学は物体(固体)の「変形」について、理論的にまとめられた科目です。私は変形という現象を数学的に考察することの面白さに魅せられて、研究から仕事まで一緒に突き進んできました。
今回は材料力学(科目)に焦点を当てて、その面白さを自分なりに整理してみたいと思います。
変形の4種類の基本形態
まず、変形とは外力を主とする外的因子で物体が形状を変えることを言います。この過程を数式を用いて理論的に説明したのが、材料力学です。
微小変形から大変形まで、規模こそ違えど多くの場面で見られる変形(現象)。それらは4種類の挙動に分けられます。
その4種類とは、引張/圧縮・せん断・曲げ・ねじりです。なお、引張/圧縮は外力の方向が反対であるだけなので、同一の形態として扱います。そして、現実に起こる変形はシンプルに分けられるほど簡単ではなく、複数の変形の挙動を混合したものとして現れます。
引張/圧縮とせん断は、中でも基本的な変形の挙動と言われます。対して、曲げやねじりは少し複雑です。曲げは物体内部で不均一な引張/圧縮の力を受けることで発生します。また、ねじりは物体内部に不均一なせん断の力を受けることで発生します。
物体が拘束されている状態で外力(外的因子)を与えると、物体内部ではそれに抵抗する力が発生します。この内部的な力ことを「内力」と言い、内力を単位面積あたりに換算したものを「応力」と言います。
力と変形の間で成り立つ関係式
物体に発生する内力(応力)と変形(ひずみ)の間に成り立つ関係を、数式的に表現したものを「構成式」と言います。この構成式は基本的なものから、物体特有に成り立つものまで様々です。
これを図的に表現すると、下記のような応力ーひずみ線図が描けます。最も基本的な構成式は、応力とひずみを比例(線形)の関係で示した「フックの法則」です(原点から降伏点までの直線部分に相当します)。
降伏点から先の非線形領域は、一般的に微分方程式で表現されます。こういう数学的なアプローチが好きで、材料力学に興味を持ったのかもしれません。
現在もこの構成式について研究テーマとして掲げられるものがあり、古典的な内容から新たに提唱されているものまで、たくさんの話題があります。
ちょうど高専の頃の卒業研究で、軟鋼の降伏点以降の非線形領域を表す構成式の評価に取り組んでいたことを思い出しました。
noteで材料力学を紹介する
材料力学が好き過ぎて、書籍として電子出版することを宣言しました。その素案になる記事をこちらに集めています(今年末に出版するのが目標です)。
今回は書籍化にあたり、改めて材料力学の参考書を取り寄せました。こちらの本はビジュアルで理解しながら学び進めることができるので、初心者だけでなく改めて復習したい方においても参考になると思います。
演習問題が少なく感じたので、演習問題をバンバン解いて力をつけたい方は、こちらを一緒に購入されると良いと思います。
私も改めて復習した際に、十分に理解できていないことが所々であり、それを消化できたも大きな収穫だったと思います。こちらの2冊はオススメです。
おわりに
今回は材料力学という科目について、概要的な部分を説明しました。数学が得意だったからこそ、食らい付いていけたのも事実で、理系方面の方に限定で理解してもらえる内容であるのは否めません。
実際に数式が多い分野のことを言葉で説明するには難しくて、この記事を書くのも苦戦しました。こうして限られたような分野のことが周囲に広まれば、書いた身にしても嬉しく思います。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに寄り添えたら幸いです。何卒よろしくお願いいたします。
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