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【#36】材料力学の強化書 〜平面応力と平面ひずみの近似法〜

今回のトップ画像は埼玉県所沢市に開業した「ところざわサクラタウン」の外観です。埼玉県が代表する大型文化複合施設ですが、奇抜な建物に見えますね。都内からも近いので、個人的にぜひ訪れてみたいです。

さて、材料力学の話に戻りましょう。

前回は一般的な3次元の応力状態において、主応力を求める方法について確認しました。

今回は3次元の問題を2次元の問題に変換する「平面応力」「平面ひずみ」の考え方について扱います。

これまでは2次元の問題を主に解説してきましたが、3次元になると数式も複雑になります。そうした時に使える近似でもあるので、ぜひここで理解してもらえたらと思います。

平面応力について

例えば、下記に示すような薄い平板の面内に引張荷重が作用する場合は、板厚方向の応力(内力)は存在しないこと、板厚方向の物理的な分布は一様と仮定することができます。

これらの仮定から、近似的に平面内(2次元)の応力状態として問題を取り扱うことができます。このような応力状態のことを「平面応力」と呼びます。

平面応力の場合は、板厚方向(z軸方向)に関わる応力成分は全てゼロであることから、有値の応力成分は上記の3つになります。

平面ひずみについて

例えば、物体の一方向(長手方向)の寸法が他に比べて非常に大きいとき、長手方向に一様な外力が作用すると物体の変形は横断面内に限られます。つまり、長手方向では一様な変形になると考えられます。

これは、長手方向のひずみがゼロとなることを意味します。このような応力状態のことを「平面ひずみ」と呼びます。

平面ひずみの場合は、長手方向(z軸方向)に関わるひずみ成分は全てゼロであることから、有値のひずみ成分は上記の3つになります。

おわりに

今回は割と短いですが、3次元の問題を2次元の問題に近似する手法として、平面応力と平面ひずみについて確認しました。

3次元問題を2次元問題に近似するため、元の3次元問題に比べて精度こそ落ちますが、それでも差し支えない範囲内に収まるのであれば、計算負荷も少なくできるので有効な手法と言えます。

材料力学の単元の中でも、実際に使われることが多い内容でもあるので、ぜひ頭の片隅にでも留めておいて頂けたらと思います。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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