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物理数学の世界 #22 〜連続体内部の運動〜

物理数学の世界。始まります!

前回はコーシー応力テンソルにまつわる不変量について扱いました。平均応力テンソルと偏差応力テンソルを中心に記述し、材料力学でも使われるミーゼスの降伏基準についても触れました。

今回は連続体の運動に関する力学的条件と、連続体の内部の運動の記述について話を進めたいと思います。

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整理したノートを公開

実際にノートにまとめてみました。前半は物理学でお馴染み、力のつり合いの条件式について書いています。荷重境界条件についても触れています。

コーシーの応力テンソルは、あくまで物体内部の力の状態を表すので、外部で見られる変形を記述するには、系全体の力のつり合いや、境界条件を適用していく必要があります。

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後半は物体内部の点における運動(軌道)をどのように表現するかについて書いています。その際に必要となるのが、物質表示(ラグランジュ表示)空間表示(オイラー表示)です。

それぞれの表示方法は、物体に対して座標系(基準)を設けて物体内部の点の運動を記述する方法と、物体を含む全空間に対して座標系(基準)を設けて物体内部の点の運動を記述する方法になります。

最後の例題を見ていただきながら読み進めると、両者の違いが見えてくると思います。

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コーシー応力テンソルの扱い方

ここまで4回にわたり、連続体力学の立場からコーシー応力テンソルについて話してきました。材料力学で登場する「応力」とは異なる定義なので、困惑することもあるだろうと思います。

コーシー応力テンソルは応力の定義を数学的に扱い直したものです。例えば、材料力学では応力は垂直応力(引張・圧縮)とせん断応力に分けて考えますが、連続体力学ではこの2つをコーシー応力テンソルとして同時に扱います。

コーシー応力テンソルは数学的な定義でもあるので、線形変換(操作)に対応します。その前提から主応力の話などに展開してきました。また、今回の力のつり合いや境界条件の話も数学的に書き下しました。

ここから、次に連続体の変形について考えていくことになります。今回で少し踏み込んでしまいましたが、一旦時間をおいてから再開させたいと思いますので、引き続き宜しくお願いします。

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おわりに

今回は連続体の運動に関する力学的条件(力のつり合い条件と荷重境界条件)について触れて、実際に連続体内部の運動の記述方法(物質表示と空間表示)について扱いました。

連続体力学の話はまだ先がありますが、長らく掲載してきたので一旦お休みにするとして、次回はまた数学の話に戻ります。予定としては、ベクトル解析について扱いたいと考えています。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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