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奈良大和路 NARA YAMATOJI MAGAZINE

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奈良大和路に関して記した文章のマガジンです。奈良を撮った写真は、マガジン「PHOTO YAMATOJI」にまとめています。奈良県域の周辺部も歴史的に関連があれば含めて記してありま…
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2020年1月の記事一覧

法隆寺吉祥悔過

法隆寺吉祥悔過

昨年は、一月八日からの法隆寺吉祥悔過を参観に行きました。

行ってみると、普段は薄暗い金堂の内陣にLEDのライトが当てられて、
釈迦三尊像や吉祥天像などが通常以上によく観えているのが
思わぬポイントでした。

西院伽藍の鐘楼 (国宝) 上部の扉が開け放たれ、梵鐘のシルエットがくっきりと見えます。
お寺の方に聞くと、法要直前に鳴らされた鐘の音は、(いつもの西円堂の鐘でなく、) この国宝の鐘楼の鐘であ

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聖徳太子が冠位十二階制定 (1月11日)

聖徳太子が冠位十二階制定 (1月11日)

聖徳太子が冠位十二階制定  (1月11日)。

(12月更新)

1949年1月26日   法隆寺金堂火災で国宝壁画が焼損

1949年1月26日 法隆寺金堂火災で国宝壁画が焼損

法隆寺金堂火災で国宝壁画が焼損 (1949年1月26日)。

当代の著名画家たちにより壁画が模写されていたのですが、
その模写にも画家の個性をやはり感じます。

会津八一は「自註鹿鳴集」で、焼損前に壁画を金堂から外して保存すべきと
自分は主張していたと述べています。

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(8月22年1月更新)

1月8日   玄奘三蔵がインドなどへの旅から唐へ帰国 (645年 貞観18年) 。

1月8日 玄奘三蔵がインドなどへの旅から唐へ帰国 (645年 貞観18年) 。

1月8日   玄奘三蔵がインド等の16年の旅から唐へ帰国 (645年 貞観18年)。

日本ではいわゆる「大化の改新」(乙巳の変) があった年ですね。

玄奘三蔵は法相宗の宗祖とされていますから、
法相宗の薬師寺が天武天皇により発願される680年、
同じく法相宗の興福寺が平城京に創建される710年 (前身寺院は山階寺が669年創建)  と僅か数十年の期間差であることに驚きます。

玄奘三蔵の命日法

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1月9日  大友皇子が天皇に即位(弘文天皇。 大友皇子即位説より)  672年(天智天皇10年12月5日)・ 「天智天皇暗殺説」への疑問点

1月9日 大友皇子が天皇に即位(弘文天皇。 大友皇子即位説より) 672年(天智天皇10年12月5日)・ 「天智天皇暗殺説」への疑問点

1月9日  大友皇子が天皇に即位(弘文天皇。 大友皇子即位説より)  672年(天智天皇10年12月5日)。

以前、弘文天皇陵と三井寺新羅善神堂について書きましたが
https://note.com/artandmovie/n/nba48babd85ab?creator_urlname=chiichan )

近辺の、大友皇子 (弘文天皇) と父親の天智天皇に関連する史跡を
この数年幾つか巡

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長弓寺の初詣

先日の記事 ( https://note.com/artandmovie/n/n327fd9a89897 ) は専ら獅子窟寺について書く形になりましたので
長弓寺等については、こちらに書かせていただきます。

19年の元日、久しぶりに長弓寺へ行きました。
普段は公開されていない本堂 (国宝) の内部が公開されるとのことで、
本堂への長い行列に1時間ほど並んだのですが、
実はその行列の人々の殆どが本

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長弓寺ー磐船神社ー獅子窟寺

長弓寺ー磐船神社ー獅子窟寺

今年の元旦は家にいましたが、昨年の1月1日は
長弓寺から磐船神社、獅子窟寺へと歩き、
獅子窟寺へは翌2日も行ってきました。

磐船神社から獅子窟寺近くへの車道沿いの「歩道」を辿ったのですが「歩道」は殆ど途切れている箇所も多く、ここの歩きは、あまりお勧めしません。

1日は、着いた頃は夕方で獅子窟寺の国宝薬師如来像のお堂はもう閉まっていて、
2日に改めて参ったのでした。

獅子窟寺のある山の麓から寺

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平重衡の軍勢が東大寺・興福寺を焼き討ち   1月15日(1181年 / 治承4年12月28日)

平重衡の軍勢が東大寺・興福寺を焼き討ち 1月15日(1181年 / 治承4年12月28日)

平重衡の軍勢が東大寺・興福寺を焼き討ち   ( 南都焼討。 1月15日 [1181年 / 治承4年12月28日]) 

東大寺焼き討ちの犠牲となった女性たちを祀った場所に建てられたのが
東大寺の四月堂 (三昧堂) であると、そこの堂守から聞いたことがあります。

ただ四月堂の創建年は、1021年 (治安3年) か1067年 (治暦3年) 説が有力であり、
その説に立てば (その説が、今の四月堂の位

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「古事記」編者太安万侶の墓が発見される (1979年1月20日) / 津田左右吉の史料批判史学 / 一般的な史料批判の起こりは聖書学


「古事記」編者太安万侶の墓が発見される (1979年1月20日) 。
奈良市郊外の茶畑から太安万侶の墓誌が出土。 🍁

津田左右吉の史料批判史学
「古事記」「日本書紀」などにある「神話」に「史料批判」の手法を導入した
古代史家の津田左右吉の「神代史の研究法」(1919年)「建国の事情と万世一系の思想」(1946年) 等を読みました。

🔍 青空文庫にも収録されています。特に「神代史の研究法」

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外食時に読む本

外食時に読む本

近頃は上野誠さんの「万葉手帳」(2016年 牧野貞之写真  東京書籍) が、
調べたいことを簡潔かつダイレクトに伝えてくれる感じで、
明晰な写真も美しく、読みやすいので手にすることが多い。

それまでは石母田正の「日本の古代国家」(岩波文庫) などをジワジワと読んでました。真ん中辺りから迫力が伝わってきます。
石母田正の著書は「中世的世界の形成」が岩波文庫で出た時に、これは数日でまとめ読みしました

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「見仏記」 購入

いとうせいこうさん、みうらじゅんさんの共著「見仏記」を
いまさらながら初めて購入して、読みました。

テレビ版は幾つも見ていたのですが。

サンマルクカフェで
お二人の会話に何度も声を上げて笑いそうになりました。

一方、意外に (?) シリアスな分析も多く、
本書でも述べられている通り、
和辻哲郎の「古寺巡礼」的な批評を披露する箇所もあります。

ところで、単行本の頃から表紙になっている ( 立

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