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【実話小説】まだ、やり直せるはず【第二話】

中学で感じた孤独と気づき【第2話】

こんにちは、あ〜とです。
前回のエピソードでは、僕の子供時代からADHDとアスペルガー症候群の診断を受けた話をしました。
今回は、中学時代に感じた孤独と、その中で自分と向き合うことになった経験についてお話しします。思春期というデリケートな時期に、周りとの違和感を強く感じながら過ごした日々。そして、その中で自分なりにどう向き合ってきたのかを振り返ります。

はじめに

中学校という環境は、小学校とは異なるプレッシャーや人間関係の複雑さが増します。思春期に差し掛かり、自分と周りとの違いを意識し始めた頃、僕はますます孤立感を深めていきました。
薬で落ち着きを取り戻したものの、「普通」になりたいという強い願望は変わらず、それが逆に自分を追い詰めていく結果になっていました。

周りの同級生たちが自然に友情を築いていく中で、僕はその輪に入ることができず、孤独を感じる日々が続きました。
今回は、そんな中学時代の葛藤について深く掘り下げていきます。

孤立する日々

中学校に進学してすぐ、僕は周りのクラスメイトたちと自分との間に感じる「壁」のようなものをはっきりと意識し始めました。クラスでの活動や遊びに誘われることが少なく、友達の輪にうまく入ることができない自分に苛立ちを感じることが多くなりました。特にグループ活動や体育の授業では、誰かとペアを組むという状況がつらく感じました。
他のクラスメイトが自然とペアを組む中で、僕だけが取り残されることがよくあり、そのたびに「自分はどうしてこうなんだろう」という疑問が強まりました。

当時の僕は、周りに合わせようと必死でしたが、その努力が空回りしてしまうことも多かったんです。無理にでも周囲に溶け込もうとした結果、逆に自分を見失い、さらに孤立していくという悪循環に陥っていました。

いじめの存在

さらに、僕が感じていた孤立感を悪化させたのは、いじめでした。クラスメイトたちは僕が発言するたびに笑ったり、陰で悪口を言ったりすることが多くなり、次第に僕は発言すること自体が怖くなりました。
授業中に手を挙げることもできず、休み時間も一人で過ごすようになりました。「自分が周りとうまくいかないのは、自分が悪いからなんだ」という自己否定の思いが強くなり、ますます他人と距離を置くようになりました。

その時の僕は、「他人に頼ることは弱さの表れだ」と思い込んでいました。いじめに対しても、誰にも相談せず、一人で耐え続けました。特に辛かったのは、誰も僕のことを理解してくれないという孤独感でした。いじめを受けていることに気づいていた先生もいましたが、どう対処すればいいかわからないようで、ただ見過ごされてしまいました。そのたびに、「自分の存在は無意味なんだ」と感じ、学校に通うことが苦痛で仕方がありませんでした。

家庭での孤立感

学校での孤立感に加え、家庭でも同じような感覚がありました。家に帰っても、親に自分の感情を打ち明けることができず、ますます内に閉じこもっていきました。両親に対して、「自分が周りとうまくいかないのは、親のせいじゃないか」と思うこともありました。親は僕を支えようとしてくれていたはずですが、そのサポートが空回りしているように感じ、僕は家でも心の平穏を得ることができませんでした。

夜になると、学校での出来事を思い出しては涙が溢れてくることがありましたが、親に心配をかけたくない一心で、泣くのを我慢していました。「強くなりたい」「普通になりたい」という思いが強くなるほど、それができない自分に対する嫌悪感も強くなっていきました。

心の中での葛藤

中学校時代を通して、自分の内面と向き合うことが多くなりました。いじめや孤立感に対する解決策を見つけられないまま、心の中で「これ以上どうやって生きていけばいいのだろう?」と自問自答する日々が続きました。心の中では、「こんな自分はダメだ」という声が常に響いていました。

しかし、同時に自分の中にある「強くなりたい」という思いもまた、消えることはありませんでした。どんなに辛い日々が続いても、「このままでは終わりたくない」という希望のかけらが僕の中に残っていたのです。そのかけらが、僕が学校に通い続ける原動力になっていたのかもしれません。

まとめ: 孤独が教えてくれたこと

こうして振り返ると、中学時代の孤独は僕にとって辛いものでしたが、同時に自分を見つめ直す貴重な時間でもありました。この孤独と向き合いながら、自分自身に問いかけ続けたことが、今の僕の強さの源となっています。誰かに助けを求める勇気を持てなかったことは後悔していますが、それでもその時の経験が今の僕にとって大きな意味を持っていると感じています。

次回は、高校時代の新たな挑戦と挫折についてお話しします。中学時代の孤独から脱却し、どうやって新たな道を見つけていったのか、ぜひご期待ください。

次回予告: 「高校での挑戦と挫折」

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