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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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#食べ物小説

本棚:『ふたごの餃子 ゆうれい居酒屋6』

新小岩のランドマーク、駅の南口にあるルミエール商店街。そのルミエール商店街の中ほどを一本裏に入った狭い通りにある居酒屋「米屋」。図らずも米屋に訪れた悩みを抱えるお客さんが、女将に救われ、後日お礼を言いに訪れると、米屋はなく、隣にあった焼き鳥屋で尋ねると、米屋は30年以上前に閉店したと教えられて…。というお決まりのパターンがあるのですが、第一話と第五話はいつもとちょっと違って、思わずニヤリとしてしまいました。 シリーズ第6弾なので、もう、このお決まりのパターンに安心感がありま

本棚:『マヨナカキッチン収録中!』

番組制作会社に勤務する35歳の浅生霧歌。深夜の料理番組のアシスタントプロデューサー。彼女も料理が得意だが、人前では料理できない理由があって。 番組制作会社とは、簡単に言うとテレビ局の下請けで、テレビ番組やその中のコーナーなどの企画から撮影、編集まで請け負う会社だそう。テレビのお仕事というと華やかなイメージがあるけれど、大勢の人が関わってできているんだろうなぁ、体力勝負なんだろうなぁと勝手に想像しています。 主人公の霧歌が得意なのが時短料理。料理が得意ではない、できることな

本棚:『ミステリな食卓 美味しい謎解きアンソロジー』

アンソロジーだと、いろんな作家の作品が読めるのでお得!という気がします。碧野圭さんのは『菜の花食堂のささやかな事件簿』から、近藤史恵さんのは『ときどき旅に出るカフェ』からの作品で既読でしたが、いい感じに結末も忘れていましたので、初めて読んだかのように楽しめました。 本書が気になったのは、太田忠司さんの作品で、『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』の人だよね?他にどんな作品を書いているんだろうと思いまして。太田忠司さんの『和菓子迷宮をぐるぐると』は、私が勝手にそう思っているだけですが、

本棚:『婚活食堂11』

『ゆうれい居酒屋5』につづいての山口恵以子さんの作品2連続。この2作品のほかに「食堂のおばちゃん」シリーズも読んでおり、『食堂のおばちゃん16』では、本シリーズの恵と真行寺が登場するとのことで、こちらも楽しみです。「ゆうれい居酒屋」は昭和から平成のはざまぐらいですが、「婚活食堂」と「食堂のおばちゃん」はほぼリアルタイムで物語が進行しています。 リアルタイムといいつつ、私が読むタイミングは少し遅れているので、本作品の場合は2024年の2月から5月ぐらい。連日の暑さに夏バテ気味の

本棚:『枝豆とたずね人 ゆうれい居酒屋5』

あっという間にシリーズ第5弾。今回は「食堂のおばちゃん」シリーズの登場人物のことが、ちょこっと会話に出てきて、思わずニヤリとしてしまいました。舞台は新小岩でして、読むたびに南口にあるというルミエール商店街に行ってみたいなと思います。ちょうど来月末に新小岩に行く用事ができまして、ついでに寄ってみようと楽しみです。 「ゆうれい居酒屋」というのは、つい数日前に行った居酒屋「米屋」に再び訪れようとすると、両隣の店はあるものの、「米屋」はなく、隣の焼き鳥屋に聞いてみると、その店は30

本棚:『おむすび縁結び 食堂のおばちゃん15』

長寿シリーズとなってきました「食堂のおばちゃん」シリーズ。今回は結婚式など、おめでたい話がちらほらある中で、霊能者も出てきて、大丈夫かしら?と心配するものの、裏切らない安心・安定感。 「へぇ~」っと思ったのは、女性の変化は7の倍数の年に起こるとのこと。つい最近の7の倍数の年を思い起こしてみると…。体質の変化というのか、中年になったんだなぁと実感したというか。次の7の倍数の年は、どんなことが起こるのやら。逆に、次の7の倍数の年までは、大きな変化はないと安心していいのかなぁ。

本棚:『猫目荘のまかないごはん』

自分の生きる道を見つけるのだと意気込んで上京したものの、うまくいかず。上京の時からずっと住んでいたアパートが取り壊しになり、急遽、友人に相談して、住むことになったのは、朝と夕に大家がまかないを提供してくれる下宿屋。だが、その見た目は築何年だか想像もつかない陰気な建物で…。 下宿屋というと学生相手のイメージがありますが、猫目荘の入居者はみな社会人。社会人でも、下宿屋みたいな場所があるといいなと思いました。シェアハウスが近いのかもしれませんが、ちょっと違うかなぁ。 私の住んでい

本棚:『出張料理みなづき 情熱のポモドーロ』

「あなたが上手くいかなかった仕事は、たくさんある仕事のうちのたった一つ。」 なんて温かい言葉なんだろう。周りの人と同じようにできないと感じて落ち込んだことは何度もあります。そうかと思えば、誰かが他の人と同じようにできないときに、責めてしまったことも何度もあります。他人に対しても、自分に対しても、たくさんある仕事のうちのたった一つなのに。 主人公の体育会系女子の季実が新卒で入った会社はブラック。2年経たずに辞めたものの、気力を失い、昼夜逆転の生活へ。両親から東京の本郷にいる祖

本棚:『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 巡る季節のミネストローネ』

オフィス街の細い路地にある4階建ての古びた建物の1階部分にある「スープ屋しずく」は、その名の通り、スープ専門のレストラン。昼と夜だけでなく、秘密の営業時間があり、それは朝6時半からの2時間で、朝ごはんを提供しています。その朝の「スープ屋しずく」の常連客である奥谷理恵は、店主へ密かに想いを寄せているのですが…。 シリーズ第8弾。いつ頃から読み始めたのか覚えていませんが、なんというか、「うぅ、まだかぁ~」「じれったいなぁ」と毎回思っておりましたが、今作で遂に…。でも、物語の中で

本棚:『株式会社シェフ工房 企画開発室』

料理ができなかった自分を料理上手にしてくれた便利な調理グッズを開発・製造・販売している大好きな会社に就職した新津。生まれ育った長野から札幌にやって来て、職場の人にも恵まれるが、そもそも彼女が料理をするようになったきっかけとは。 趣味や好きなことは仕事にしない方がいいとか、いや、好きなことを仕事にできるのはいいことだとか、どちらの意見もあると思いますが、憧れの会社に入るってどんな感じなんだろうなぁ。幸い、主人公の新津の場合は会社に入ってからも、会社を、会社が作る製品を、一緒に

本棚:『名古屋駅西 喫茶ユトリロ 龍くんは引っ張りだこ』

名古屋駅西にある喫茶ユトリロは常連客に支えられて長く愛されているお店。ユトリロを営む祖父母宅に下宿中の龍くんは医学部を休学中の身。今は何がやりたいのか、わからなくてずっと考え中…。 名古屋めしがたくさん登場する本シリーズ。第四弾の本書が出ていたとは知らず(しかも2023年4月発行!)、図書館で見つけたとき、心の中で「ぎゃー」と叫びました。 主人公の龍くんは、医学部に通うために東京から名古屋にやって来て、大学に入って勉強してみて、自分は医者になりたいんじゃないのかもって思い

本棚:『昭和の焼きめし 食堂のおばちゃん14』

着々と続いている「食堂のおばちゃん」シリーズ。5話収録されているうち、本書のタイトルとなっているのは第三話ですが、第五話のコロッケが無性に食べたくなりました。 コロッケといえばコロ助(?)ではありますが、私にとってのコロッケの思い出は大学に入学したばかりの頃。一人暮らしのアパートへの引っ越しは、母が一緒だったのですが、引っ越したばかりで、あまりモノがない状態。食事は、ご飯は炊飯器で炊いたものの、おかずは近くのスーパーで買ったお惣菜。そのスーパーで、コロッケ1個 数十円で売って

本棚:『とり天で喝! ゆうれい居酒屋4』

本シリーズの舞台はJR新小岩駅の南口に広がるルミエール商店街の中ほどの一本隣の路地裏にある居酒屋「米屋」。読むたびに、新小岩って住みやすいところなんだな、今度、引っ越すなら新小岩かなぁなんて考えてしまいます。 お話の流れはお決まりで、ご常連以外にやって来たお客はたいてい、本当は違う店に行きたかったのだけれど、あいにく満席で仕方なく入ったのが米屋。しかし、想定外の料理のおいしさに心の鎧が脱げ、いつの間にか悩みなどを打ち明けており、女将さんに救われて、後日、お礼に米屋を訪ねるも見

本棚:『婚活食堂10』

気付けばあっという間に「婚活食堂」シリーズも10作目。なんと3巻までは中国で翻訳出版されており、近々イタリアでも翻訳出版されると書いてあります。ちなみに本書では「食堂のおばちゃん」シリーズの「はじめ食堂」と、「ゆうれい居酒屋」シリーズの登場人物も出てきて、思わずニヤリ。 本作で気になったというか、言われてみれば確かに!と思ったのが、芸人と言えばテレビで見る人しか知らないなと。せっかく東京にいる今こそ、浅草演芸ホールとか行ってみるのもいいかもしれないなと。以前、友人と歌舞伎を観