本棚:『株式会社シェフ工房 企画開発室』
料理ができなかった自分を料理上手にしてくれた便利な調理グッズを開発・製造・販売している大好きな会社に就職した新津。生まれ育った長野から札幌にやって来て、職場の人にも恵まれるが、そもそも彼女が料理をするようになったきっかけとは。
趣味や好きなことは仕事にしない方がいいとか、いや、好きなことを仕事にできるのはいいことだとか、どちらの意見もあると思いますが、憧れの会社に入るってどんな感じなんだろうなぁ。幸い、主人公の新津の場合は会社に入ってからも、会社を、会社が作る製品を、一緒に働く仲間を好きなままでいられてよかったなぁと思います。
私の場合、自分が勤めている会社の製品を一般消費者として手に取ることはほとんどないのでピンと来ないのですが、兄の勤めている会社は最終製品を作っているメーカーなので、兄が内定後にその会社の製品をよく買っていたのを思い出しました。今でもそうなのか、あの頃と同じ気持ちなのかは、どうなんだろうなぁ。
料理が苦手な身としては、本書に出てくるような調理グッズに出会えていれば、私も新津みたいに料理好き&料理上手になれたのかなぁと、どんなものか見てみたいです。でも、私の一方的な都合として、モノを増やしたくないというのがありまして、いろいろ調理グッズを揃えるのはちょっと…。足し算より引き算の方が好きなので、料理に関しても、よく言えば素材の味を活かした、シンプルなものとすることで、いちおう自炊が続いています。