学力の経済学③〜お金は良いご褒美なのか?〜
学力の経済学シリーズでは「学力の経済学」の本をもとに僕の経験も交えながらお伝えします。著者は中室牧子氏。教育経済学者。中室氏の本を書いた目的は、「知っておかないともったいないことを伝えたい」です。知っていると知らないとでは大きな差が出ると僕も読んで思いました。ぜひ、このブログをきっかけに読んでいただけたらと思います。
このブログを音声化したもの ↓
from:ありのまま@9
学力の経済学シリーズは第3回目になりました。
これまでのブログは以下をご覧ください。
リンク第2回「どうして『良い成績を取ったらご褒美』で学力が伸びないのか?」
僕も小学校の先生をしていますから、
ふと考えることがあります。
「ご褒美は子どもの勉強する楽しさを失わせてしまわないか?」
ということを。
ご褒美は外から刺激されて、意欲づけしていくものです(外的インセンティブ)。
それと反対のものは、自分の内側から意欲づけられるものです(内的インセンティブ)。
つまり、ご褒美なんかなくても、自分で目標に向かって取り組めることです。
「一生懸命勉強するのは楽しい」っていう状態ですね。
僕が心配になるのは、
外的インセンティブをもちいると短期的には
子どもを勉強に向わせることができますが、
同時に「一生懸命勉強するのは楽しい」っていう
好奇心や関心などの内的インセンティブが
失われるのではないか
ということです。
これは現場で何度も悩み、そして中途半端に
実行したり、やめたりしてしまってました。
こういうことがはっきり分かっていれば、
自信を持って出来ますよね!
この点についても研究がされています。
①、②を読んでくださった方にはお馴染みの
ハーバード大学のフライヤー教授です。
ご褒美をあげる側とあげない側に
実験後にアンケートを調査をし、
心理学の手法を用いて内的インセンティブを計測しました。
その結果、統計的にどちらにも有意な差が観察されませんでした。
つまり、
ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせていなかったということです。
なるほど。
よく分かりました。
でも、ご褒美が「お金」っていいの?
って疑問になりますね。
シカゴ大学のレヴィット教授らが行った実験では、
ご褒美にトロフィーが用いられました。
トロフィーといっても安いもので、400円くらいのものです。
どうですか?
頑張って安いトロフィーが欲しいですか?
僕はね、、、いらないです。
さて結果は!
小学生に対しては、400円のお金よりも
同額のトロフィーの方が大きな効果があったことが分かってます。
この実験から、
子どもが小さいうちは、トロフィーなどの、子どものやる気を刺激するよな、お金以外のご褒美を与えるのがよい
ということです。
小さいといっても、お子様によって違いますから、
我が子にはどの年齢までかを試してみるといいと思います。
僕を含めた中高生以上にはやはりトロフィーよりも
お金が効果的だったことも分かっています。
こうやって使い分けるんですね。
でも、お金をあげていいのかな?
って心配になる方もいると思います。
もちろんあげ方やあげる額などを気をつけなければなりません。
さらに本で紹介されていたもので面白いと思ったのが、
同時に「金融教育をする」ということです。
貯蓄用の銀行口座を作ったり、家計簿をつけるなどです。
フライヤー教授のアンケート調査の結果によると、
ご褒美にお金を得た子どもたちは、
お金を無駄遣いするどころか、
きちんと貯蓄をし、より堅実的なお金の使い方を
していたことが明らかになりました。
この子たちは、お金をご褒美にもらうと
同時に金融教育もしていたようです。
お金のご褒美と金融教育はセットですね。
もちろん、ご家庭でできる範囲で行うといいと思います。
我が家では、僕が一番金融教育が必要な男ですから、
教えるというより、一緒に学ぶ方が向いてます。
せっかくなので、僕も考えてみます。
今後、生活をしていく上で大切なことは、
どれだけ入ってきて、どれだけ出ていくか
ということを把握することかなと思います。
そうなると得たお金で、何を欲しいか。
それはどうしてか。
いくら必要か。
って考えが広がります。
その過程で調べる力が必要なります。
どこが安いか。
送料も合わせるとどうか?
などです。
お金から始まり、金融教育
さらには物流の仕組みにもつながります。
どうすれば、今の資金を増やすことができるのか?
こうなると、まさにビジネスですね!
僕の案が恥ずかしくなるくらい素晴らしいnoteを発見!
楽しそうなことから一緒に始めてみませんか!
PS
第4回は「学力の経済学④〜褒めて育てるを間違えると逆効果!!〜」
をお伝えしますね。