映画『ラストマイル』大ヒット!シェアードユニバースが新たな成功法則となるか?原作モノ映画が失敗連発するのと同じ道をたどるか?
映画の評価【★★★★★】
私の評価は5点満点中5点です。
満点!
映画「ラストマイル」が世間で高評価。
そして興行収入もかなり爆上げ。
映画「ラストマイル」が大ヒットした理由の1つに「シェアードユニバース」を挙げる方もいます。
今回のnote記事は
映画「ラストマイル」のシェアードユニバースを元に「日本の大きな組織で起こりがちな悪いこと」
を書いていきたいと思います。
先に自己紹介をしておきます。
45才公務員👉無職おじさんの「ありのこ」です。
2023年に潰瘍性大腸炎という病気(=難病)のため国家公務員をやむを得ずに退職しました。
元国家公務員として大きな組織に20年以上も勤務した経験を活かしたnote記事です。
今回のnote記事はネタバレなしです。
ご安心ください。
・シェアードユニバースとはなにか?
そもそもシェアードユニバースって何なの?
知らないことはChatGPTくんに聞いてみましょう。
なるほど。
なんとなくわかりました。
・シェアードユニバースの日本映画は?
続いて賢いはずのChatGPTくんに聞いてみました。
ChatGPTくんは精度100%ではありません。
だから断定はできませんが、アニメ・特撮以外のラストマイルのような邦画が出てきませんでした。
だからさらにChatGPTくんに質問を続けます。
ChatGPTは精度100%ではありません。
しかしある程度の事実は示してくれます。
ChatGPTくんの回答を見ると「日本の映画ではラストマイルのようなシェアードユニバースの作品は(ほぼ)ない」ようです。
アニメ・特撮を除くと・・・
三谷幸喜作品がシェアードユニバース的なのかもしれませんが・・・直接的にシェアードユニバースをうたっている有名な邦画はかなり少ないか、(ほぼ)ないのでしょう。
という事は「ラストマイル」はシェアードユニバースを前面に出した邦画で初めてヒットしたということになりそうです。
(特撮やアニメを除く)
・映画「ラストマイル」はドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」のシェアードユニバース
ドラマ「アンナチュラル」と「MIU404」は両方ともTBSで放送されたテレビドラマです。
この2つのドラマの世界観が映画「ラストマイル」に入っており、2つのドラマの出演者たちも出てきます。
しかし話の本筋に絡みまくる・・・という感じではありません。
映画のストーリーはドラマに出ていなかった満島ひかりさん・岡田将生さんを中心に動いていきます。
だから「アンナチュラル」「MIU404」両方とも観たことがなくても、「ラストマイル」を観るのに何も問題はありません。
実際に私はこの2つのドラマ、両方とも観たことがありません。
というか・・・この2つのドラマの存在すら知りませんでした。(完全に世間からずれたおじさんです)
でも私の「ラストマイル」の評価は★★★★★(5点満点)です。
・シェアードユニバースはファンを引っ張れる
映画「ラストマイル」はものすごくおもしろいし、クオリティの高い映画だと思います。
だから大ヒットした。
としても、です。
映画公開時はどうでしょうか?
映画公開直後はネットの評価も(ほぼ)ない。
となると映画公開時にお客さんを引っ張ってくる必要があります。
ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」は映画館にお客さんを引っ張ることができたと思います。
・重要なのはファンを引っ張れると「説明できる」こと
ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」は映画館にお客さんを引っ張ることができた・・・これは事実だと思います。
ただ別の視点で考えると
ことも大切だったと思います。
私は映画業界のことはわかりません。
しかし大きな会社組織で映画を作ったり公開したりしているのですから、想像はできます。
偉い人たち(決裁権を持っている人たち)にハンコをもらわないと何もできない。
日本型大きな組織ではありがちでしょう。
・日本の組織で重要なのは「説明できる」こと
私は国家公務員として20年以上も役所に勤めていました。
大きな組織に属していました。
なので「日本型大きな組織」のパターンは予想できます。
決裁権を持っているひとに決裁をもらう場面を考えてみましょう。
・日本の組織で重要なのは下が上に「説明できる」こと
下の者が上に決裁をもらおうとしています。
この時に下の者は決裁権者に「〇〇だから」と説明しないといけません。
ルーティンで決裁文書を回せば決裁の印鑑を押してくれるケースもあるでしょう。
しかし無条件で決裁印が押されない場合があります。
その場合には上司にGOサインを出してもらうための説明が必要なことがあります。
その説明が正しいかどうかは断定できません。
未来予測を100%当てるのは無理なのですから。
「こうなるはずです」と説明して決裁をもらっても、本当に「こうなる」かは断言できないことも多いのです。
しかし、それでも良いのです。
なぜなら・・・。
・日本の組織でさらに重要なのは上が「説明できる」こと
決裁を押す立場の人(=上司)にとっても大切なのは「説明できる」ことです。
決裁印を押す以上、根拠が必要です。
自分がこの決裁文書にOKするための説明が必要なです。
決裁を持ってきた部下の説明は「上司が上司自身を納得させるための説明」になります。
上司がその説明を頭の中でグルグルして納得するのです。
その上司は部下の説明に納得して決裁します。
しかし予想とはまったく違う結果になることもあります。
部下の説明通りにいかなかった場合です。
決裁印を押した上司はには説明という名の言い訳が必要です。
「〇〇だったから」という説明という名の言い訳を上司が職場の周りにすることになります。
決裁をする上司にとっては万が一失敗した時に「説明できる」ことが重要なのです。
・いままで原作に頼りまくって映像化 そして原作クラッシャーを連発へ
今までだと映像化するときに「説明できる根拠」として使われてきたのが「原作」だったと思います。
一番ひどい大惨事になったのは日本テレビドラマ「セクシー田中さん」でした。
そう言えば日本テレビはドラマ「東京タラレバ娘」でやらかしていたのになにも反省がなかったのですね。
ドラマだけではなく映画も「原作モノ」が多いです。
下の動画では漫画家の山田玲司先生が「マンガ原作の映画」について話しています。
(正確には切り抜き動画)
マンガが10万部以上売れると映画化の企画会議に上がる。
(原作が売れているという)保険をかける。
こういった話を山田玲司先生はしています。
保険をかけるとは「原作が〇〇万部売れているので映画館にお客さんが来きますよ」という説明ができるということです。
実際は山田玲司先生がおっしゃっている通りさらに「人気女優の××を起用して」とか「人気男性アイドルの△△も起用して」と説明できる要素を積み上げて決裁をもらっていくと思います。
説明の重要な要素として「〇〇部売れている原作」が使われやすい。
部下は企画を通すとき、上司たちに「これは原作が〇〇部売れています」と説明する。
上司たちは部下の「これは原作が〇〇部売れています」という説明をさらに自分で自分に対して行い、納得する。
で、決裁の印鑑を押す。
万が一、映画がヒットしなかったときは上司は「原作が〇〇部売れてるので映画はヒットするはずだったんですけどね」と周りに説明する。
この地獄がずっと続く中、どんどん原作クラッシャーの映画がつくられていく。
テレビドラマも同じ構造だと思います。
「原作が〇〇部売れてるので視聴率が取れるはず」という説明の連鎖。
そしてドラマ化するけど原作クラッシャーを連発。
原作ファンや良心的な視聴者をブチ切れさせまくります。
色々書きましたが「映画化もこんな感じで決まるのだろう」というおおまかなことしかわかりません。
映画化決定の具体的なプロセスをご存じの方はコメントいただけるとありがたいです。
・映画「ラストマイル」がシェアードユニバースでファンを引っ張れたあと
映画「ラストマイル」がシェアードユニバースでお客さんを引っ張れることを証明しました。
となると・・・日本の企業は「2匹目のドジョウ」が大好きです。
「雨後の竹の子」のようにシェアードユニバースの映画が乱発される危険性もあります。
なにしろ日本の大きな組織では「説明できる」ことが大切ですから。
「このドラマはTverの再生回数が〇〇万回」が説明の根拠になってしまう危険性があります。
原作モノの映画が悲惨なことになりまくっています。
さらに原作がある映像モノは原作者とのトラブルが世間では注目されるようになりました。
原作者がいる原作モノの映像化は、原作者とのトラブルのリスクがあるわけです。
「セクシー田中さん」で日本テレビが世間からフルボッコにされたのを観た映画業界にとっては、原作者とのトラブルはかなりのリスクです。
原作がないドラマを使いシェアードユニバースで映画を作れば、原作者とのトラブルのリスクはなくなります。
だからと言って内容も精査しないでシェアードユニバース映画を連発されるのは困ります。
映画「ラストマイル」は良いデキだったから大ヒットした訳です。
・映画「ラストマイル」は2024年における名作社会派ミステリー
「ラストマイル」は社会的な問題を扱っているミステリー映画です。
格差社会(貧困)を描いています。
そして社会派ミステリー映画としてかなりおもしろいです。
1960年代~1980年代、推理小説の世界では「社会派推理小説」が大きな勢力を誇っていました。
社会派推理小説の定義は非常に難しいですが、「社会的問題を扱った推理小説」という感じです。
今では社会派推理小説はほとんど勢いがありませんが、1980年代までは大きな勢力でした。
社会派推理小説と言えば松本清張が有名です。
松本清張の社会派推理小説の名作に「点と線」があります。
「点と線」が書かれたのは1957年~1958年です。
「ラストマイル」が2024年の名作社会派ミステリー映画なら、「点と線」は1957年の名作社会派推理小説です。
社会派ミステリーとしてその時代に合ったモノが名作になるのだと思います。
今、松本清張の「点と線」を読み直しています。
もし興味があれば皆さんも読んでほしいです。
「点と線」は何度か映像化されています。
2024年現在で、分かりやすいのはテレビ朝日のドラマだと思います。
主演が北野武(ビートたけし)さんなのでなじみがあると思います。
ただアマプラにはありませんでした。
残念。。。
アマプラにある松本清張作品を観たければこんな感じです。
社会派推理小説の雰囲気をぜひ堪能してください。
もしこのnote記事の評判が良ければまた「ラストマイル」を取り上げたいと思います。
今考えているのは
です。
①②のうちどちらがイイなど希望がありましたらコメントをください。
このnote記事の評判が良ければ「ラストマイル」の記事を書きます。
ぜひイイね(ハートマーク)を押してね(チラッ、チラッ)
note記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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