マガジンのカバー画像

出会い~人生の転機~全20編

21
出会い~人生思うようにならないとき、神々にすら挑む心に本当の幸せがあるのか・・・新たな出会い 注意:若干残酷な表現あります。苦手な方はご遠慮頂くか覚悟してご覧下さい😌
運営しているクリエイター

#ありがとう

出会い17~沈黙

一睡も出来ずに夜が明けた。

私にとってもこの数日は辛い日々だった。
村長にも、顔向けが出来ず、まだお悔やみの言葉すら伝えていなかった。

話の中流れで、自分の親ではないと知り。更に、権蔵さえも息子ではなかった。どんな想いで生きてきたのか。

推し量るに余りある人生である。自分から尋ねる事はないだろうが、父だと思ってきた人の事をこれから、何者と思えば良いのだろう

そして、白兎は何を伝えてくるのだ

もっとみる

出会い8~死闘

生き延びる為に、今出来ること。ただ、この谷に1ヶ月いろでは無いはず。角を手に入れるために動き始めた。

一先ず見通しのいい場所をみつけ、風向きをみていると夕闇に紛れ、追っ手から逃げる大きな白いウサギが見えた。

暮れかかってはいるものの、白いウサギがジグザグと必死に逃げる様は、光のように美しく神がかって見えた。

でも、ダメだ。その先は死角になって見えないが崖になってる。タイミングをあわせて、足元

もっとみる

出会い6~陰謀

そもそも、陰謀とは互いに騙し討ちすることのはずなのに、互いに陥れようと言う気配がない。

そもそも、異母弟様は昇進意欲が皆無。争いすら苦手なようだ。

歌人であり、風流ともするとこの様なお立場を嫌がっているのは、異母弟様も一緒かもしれない。

ならば、なんの陰謀に私は加担させられているのだろう。里に近づく程に次第に不安になりさらに言葉数も減った。

異母弟様をコッソリ窺うとニコニコと陽気に振る舞い

もっとみる

出会い5~画策~

どうしたら、良いですか?

聞く相手の違うことは重々承知している。

「お館様」

呼び掛けるとおぉ影丸かと何も聴こえていないかの様に掛け軸の前に立つ

端からみれば、まるで掛け軸の値踏みをしているかのよう

はい、少しお話が・・・有無を言わさず

あやつはほっておけどうせ何もできん

お館様もう聞いております。

お館様の病に私の里の薬が効くやもしれません。弟君には、お館様の代わりはつとまりませ

もっとみる

出会い4~謀叛~

そもそも謀叛とは、現当主を倒すもの

の・・・はず

もし、その当主が退きたいと願っていたなら

そして、それを望まないのが次期当主。ややこしい。

どうも、退陣はお館様のご意志のようだ。

戦で謀叛、矢に撃たれ亡くなる。すべからく世代交代。だが、信頼の薄い異母弟のため、お館様は一つ芝居を打つようだ。

日頃から、行いの悪い異母弟がもし、仇を討てばイメージチェンジになる。と言うこと。悪漢に撃たれた

もっとみる

出会い3~昨日の敵は・・・~

ともかく、お館様にこの現状伝えようにも見張り番は10日も先の話、考えて考えて思い付いたのが、兎を捕まえ献上しようと考えた。

お好きであれば、食べて戴けばうれしいし、話し掛けるチャンスになる。

戦の前に非番になり、山に捕まえに行った。

捕まえた兎はなんと、子を宿しており戦の前に吉兆と慶びの言葉を賜り、飼育係となった。

「折角の命、大切に育てよ」お館様の側近より、伝言を賜る。

参った。折角の

もっとみる

出会い2~不倶戴天の敵

私は影

お館様の眼光に射ぬかれ、生きたまま心を失った。家族とももう会うことはない。

「おい、お前」お館様の異母弟にあたる克 徳勝様である。彼ほど名が体を表さない人はいまい。

「はっ」私は訛りを隠すためあまりしゃべらない。

「お前か百軒先のハエを落とすと言うのは」ニヤニヤと嫌らしい顔つきに噂は違わないだろうと確信する。

今の地位に着くために、騙したり裏切ったり悪い噂しかなかった。

「なら

もっとみる

出会い~人生の転機~

今日は私が過去世に出会った

ある豪傑との出会いについて語ろうと思う。

私は、その時中国の田舎で猟師をしていた。

弓の腕を見込まれ、戦場へ

最初こそ、びくびくしていたが武勲を立てれば生活を楽にしてやれる。家族の顔が浮かんだ。

近くにどうみても甲冑の光沢が違う人間が現れた。この距離なら射止められる。ワクワクした。
左目をつむり兜を狙う。

数百メートル先の獲物でも逃さないのに、兜を飛ばしただ

もっとみる