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世界初?概念を展示する「富野由悠季の世界」に圧倒された
どうも、思春期を富野監督作品と共に過ごし、バイストン・ウェルへの召喚を夢見ていたapyaponです。
あなたは「富野由悠季の世界」に足を運びましたか?6月に福岡市美術館で開催され、この10月に兵庫県立美術館にやってきた「概念の展示」。
「機動戦士ガンダム」などのオリジナルアニメーションを手がけてきた富野監督の作品ではなく、作品をつくる過程でできたテキストや絵コンテなどを概念として展示する試みです。
このイベントはアニメーション(映画)監督の頭の中を覗く、またとないチャンス!今後2020年9月までに島根、青森、富山、静岡で開催される同展に行くという方&自分の為に感じた事を残しておきたいと思います。
3時間いても足りない
展示に合わせて発売された「富野由悠季の世界 図録」。
416ページオールカラーでお値段4000円+税
展示内容をガッツリと収録してくれている同書を読み込んで挑みましたが、3時間ぶっ通しで見ても時間が足りないと感じました。
理由は簡単。
膨大なテキスト
展示内容の多くが企画書などのテキストで、それを説明するのもテキスト。手書きのものも多く「なんて書いてるんだ?」「どういう意図なんだろう?」と考えながら読むともう…。
ある程度「あ、これは図録に書いてたな」というのを流し読みしつつ、図録では「小さすぎて読めない!」という文字は読みやすいからと、ついつい読んでしまうのです。
余談:ハズキルーペのマネをしたかっただけで、実際はわりと読めます。
原画の迫力
書籍やネット、それこそ図録も含め何度も見てきた設定資料やイラスト。これも大きなサイズ、特に原画を見ると違う。「あぁ僕はいま本物を見ているんだな」と思わせる迫力がある!
キャンパス地や筆跡まで見られるのだから、そりゃあ小さく印刷されたものを見るのとは感じ方が違うわけです。
例えば「機動戦士ガンダム」第1話。モビルスーツが接近戦を想定した兵器であることを示した、富野監督の絵コンテと安彦良和さんが描くレイアウト。
GUNDAM.INFOより引用
上図のようにカレンダーとしても販売されているイラストを生で見れば、改めてガンダムのデザインの完成度や迫力を実感するはず。
他には「重戦機エルガイム」のデザインを手がけた永野護さんが描くヘビーメタルや人物の設定画も数多く展示されています。これも貴重では?
余談:ケバくなる前!ショートカットのガウ・ハ・レッシィは今見ても可愛い!中学生の頃です。僕は第四次スーパーロボット大戦Sのアイコンと「スト、スト、スト…やるのね?」のテキストを読んで、国語辞典で「ストリップ」の意味を調べてからレンタルビデオ店に向かいました。ガンダム以外の富野作品との出会いです。
要するにオールスター
他にも「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」「伝説巨神イデオン」のキャラクターデザインを手がけた湖川友謙さん、「∀ガンダム」「オーバーマンキングゲイナー」「Gのレコンギスタ」のキャラクターデザインを手がけた安田朗さんなどなど…富野監督と一緒に作品を作り上げてきた人たちが描いたモノが目の前に広がっているのです。
あなたも間違いなく…凝視しますよね?そりゃあ時間がいくらあっても足りません。
そして作品を観る
富野由悠季の世界には設定資料や原画など、アニメーションというカタチ(作品)になる前のモノが展示されているだけではありません。
絵コンテや解説で意図を理解したら、モニターや壁に映し出された映像を観て確認する作りなのです。
「あぁ!このシーン!懐かしい…」とか心の中で思っちゃうわけですから、そりゃあ時間がいくらあっても足りません。
ちなみに単に映像を垂れ流しているのではなく、解説を付記した抜粋映像を上映しています。見て読んで観るこの流れは、図録では味わえない体験でした。
それが富野監督の幼少期から現在に至るまで詰め込まれているのですから…そりゃあ時間がいくらあっても足りません。
余談:動画の上映がある=音声が流れています。この音声がたまに読むという行為の邪魔になります。遠くからアムロの「邪気が来たか!」という声が聞こえただけで「あぁ!!!もうすぐ逆シャアあぁあああ!」ってなっちゃいますからね。
僕は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」が大好きなので、絵コンテを冊子で読めるのも嬉しかったです。図録ですらこれだけ興奮しているので。
兵庫県立美術館で開かれる #富野由悠季の世界 が楽しみで仕方ない。図録でコンテを見るだけで…
— あぴゃぽん (@apyapon) October 11, 2019
「シャアのこの台詞はカットされてるな」
「そういやギュネイの戦死は…アムロやばい」
「監督!教えてくださいよ!」
ワクワクする!たまりません!! pic.twitter.com/jhR8h9veT2
冊子に書かれていたアクシズを押し返すシーン。シャアがはじめてアムロに弱みを見せる的なコメントを読むと、改めて2人に和解の道はなかったのかと切ない気持ちになります。最高!!!4分冊の4冊目の最後に、どの台詞がどのように変更されたかなども記載されているので、気になる方はぜひ。
てか絵コンテって凄い
頭の中にあるイメージ(見せ方/演出)を絵と言葉でアウトプットする。それをベースにアニメーターさんが形にしていく訳ですが、富野監督の頭の中では既に1本のアニメが完成している!と確信するのです。富野由悠季という人の才能にただただ圧倒されるばかり。
余談:そもそも最初に展示されている幼少期〜大学生時代の作品がすでに凄い。興味のあることに夢中になれた人ならではの力を感じられます。
ファンになってはいけないという監督の言葉
これは今回の富野由悠季の世界とは別の話。
時は2017年3月12日の宝塚市立手塚治虫記念館。富野由悠季監督と高橋良輔監督による「虫プロの遺伝子~ロボットを創った男達」と題したトークショーに参加しました。
とても心に残っているのが「ファンになんかなっちゃいけないんです」という言葉。
この場合のファンというのは、盲目的になってしまうことだったと記憶しています。例えば…
大好きな小説家の新作を読んで、面白くないと感じた。しかし、周りのファンが面白いと称えているのに流され「本当は面白いはず」「面白さが分からない自分が悪い」「これは名作だ」と考えてはいけない。
自分の感覚をちゃんと持ちなさいよ、という話だったと思います。それって凄く大切なこと。僕はそれまで流されている部分もあったから、救われた気すらしました。
そんな富野監督だから、35歳になった今でもファンなのです(笑)
次はGレコの試写会だ
ありがたいことに今回「ガンダム GのレコンギスタⅠ『行け!コア・ファイター』」の試写会に当選しました。
めちゃくちゃ楽しみ!
Gレコはリアルタイムで観ていて、本当にワクワクしたのですが…物語が分かりづらいと感じたのも本音。毎週1話観ては設定やネットに溢れる考察を読むのが習慣になるくらいに(笑)それはそれで改めて見た時の楽しさに繋がったのも事実です。
余談:てかGレコの女性キャラは本当に富野監督の作品(ガンダム)なのか?と思ってしまうくらい全員が可愛い!とは言えフィギュアは買わないから…バンダイさん!姫さまのGアルケイン フルドレスと、ミック・ジャックさんのヘカテーをHGで出してください!
そんなGレコが再編集と新規カットで、5部作の映画として生まれ変わる。1941年11月5日、現在77歳のおじいさんがやるんですよ?なんてパワフルなんだろう…。
ちなみテレビで次も考えていると語っていました。
そんなパワーに溢れた富野監督の作品…ではなく、概念を展示した「富野由悠季の世界」。
関西圏の方は12月22日までが、兵庫県立美術館での開催ですので訪れてみてはいかがでしょうか?
余談:ラジオ関西配信エリアの方はradikoで10月12日の20:00〜21:30放送の「青春ラジメニア」を聴くこともおすすめします!番組の中盤に富野監督へのインタビューがあり、人柄を感じられるほっこりした内容にニヤニヤできると思いますよ!※radikoでの配信は10月19日までです。
あ!音声ガイドを忘れてた!
Gレコが好きな方はぜひ!600円の音声ガイドを利用しましょう!ベルリとアイーダが解説してくれるので、凄く不思議な気持ちになれます。もう2人で「富野富野」言ってますから(笑)
おそらく個数に制限があると思うので、惜しくも借りられなかった方はパンフレットを購入しましょう。音声ガイドの内容を文字起こししてくれているので、脳内再生が捗るはず。
あぁ〜いろんな作品をイチから観たい!そして富野監督を応援し続けたい!!と思える展示でした。
…ということで、いつでも監督と自撮りができるアクリルスタンドと監督応援うちわを購入しました。
【今日の点取り】
ヤッター!!!
余談:アクリルスタンドはPCモニター横に置くことにしました。
エッチなサイトを見る気がなくなる効果があります!!