出版社Après-midi (アプレミディ)
2021年設立の出版社「Après-midi(アプレミディ)」です。
ユニークな本をたくさん作って売っていくため活動中。
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第6回「アウルフターネス妖精事件:当事者の環境保護団体のメンバーに聞く」連載|謎多きアイスランド 妖精と民俗文化ルポ(小川周佑)
旅ライター小川周佑氏による連載「謎多きアイスランド 妖精と民俗文化ルポ」。今回は第6回目の記事です。 妖精事件の現場へアイスランドを北欧の神秘的な閉ざされた国、レイキャヴィクをおとぎ話のようなチャーミングな街とだけ捉えていると、レイキャヴィク市内、特に郊外の風景には良くも悪くも期待を裏切られる。 片側数車線ある大きな道路が市内を東西南北に貫き、大型トラックが轟音を立てながら我が物顔で闊歩する。交通量も多い。土産物屋が集中した中心街を除けば、そもそもの生活が車を前提に作られ
第1回「日本語文献がほとんどない“アイスランドの妖精”に興味を持った理由」連載|謎多きアイスランド 妖精と民俗文化ルポ(小川周佑)
まえがき実家の自分の部屋の本棚に、もう青い背表紙が朽ち果てたかのように外れかかっている本が1冊ある。 少なくとも欧米では最大のシェアを持つと思われる、海外旅行ガイドブック「ロンリープラネット」のアイスランド版だ。 初めてのアイスランド取材に出てもう6年になる。6年の間に自分は結婚をし、母が病に倒れ、そのまま亡くなり、1年が過ぎ、そして息子が生まれた。 禍福は糾える縄の如し、そんな言葉が思い浮かべられるように生老病死が自分の人生に絡みついてくる中でも、あの朽ち果てた青表紙は