見出し画像

【連載】あの人の推し本第3回|きゃめさん(マーケティング系フリーランス)


街ですれちがったあの人、自分とまったく違う仕事をしているあの人、バーで隣に座ったこの人…みんなはどんな本を読み、どんな本に影響されているのだろう? そんな単純な興味から始まった本企画。市井に生きる、さまざまな人におすすめ本を紹介してもらいます。

今回、本を紹介してくれるのは?


新規事業立ち上げの伴走支援や企業のWebマーケティング支援に携わる永田香苗さん(以下、きゃめさん)。
オフの日は子どもたちのスポーツに付き合ったり、お出かけしたりと慌ただしく過ごされていますが、一人の時間が作れたときは本や漫画を読んだり、心に残った雑誌のページを切り抜いてノートに貼ったり、手帳にその日の出来事を書いて内省したりする時間がお好きとのこと。なんだかとっても充実していそう!

▼きゃめさんのnoteはこちら▼


好きなジャンルはビジネス本、漫画、エッセイ、小説、絵本など多岐にわたります。電子と紙の使い分けに関しては、紙のほうが読みやすいから基本的に本はすべて紙! という潔さ。本棚に収まりきらずに大変なことになっている…と嘆かれていましたが、めっちゃ気持ちわかります。でも紙で持っておきたいんですよね…。購入先は書店やAmazonが多いとのことでした。


きゃめさんのベストセレクション

人生で一番最初に触れた本、ハマった本

人生で最初にハマった本は、小学校高学年~中学生頃に出会ったコナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ

「全巻もっていて何度も読んでいました。でも何回読んでもなぜか展開を忘れちゃうので、毎回ドキドキしながら読んでいた記憶があります。ほかの海外の作家さんの推理小説も読んでみようとしたんですが、なぜか面白くなくて、シャーロック・ホームズばかりを繰り返し読んでいました」(きゃめさん)

墓場まで持っていきたい!宝物の3冊

『スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし』(レオ・レオニ)

小さな黒い魚スイミーは、広い海で仲間と暮らしていました。ある日、仲間たちが大きな魚にみな食べられてしまいました。一匹だけ残ったスイミーは・・・

好学社サイトより引用

「スイミーは子どもが生まれたときに買って読み直してから、すごく思い入れの強い絵本になりました。子どもが保育園の劇でスイミーをやったというのもありますが、『ぼくが めになろう』のところは毎回泣いています。笑
昔、自分が小さい頃に読んだときには、スイミーがひとりだけ色が違うのに、たくましく生きていく姿に憧れたような気がします。でも大人になって読み返したら、実はスイミーが海の中でいろいろな生き物やすばらしいものに出会う部分に多くページが割かれているということに気づいたんですよね。私は今アラフォーですが、これからの人生、視野を広げて、たくさんの素敵なものに触れながら生きていきたいなと思いました。
あと、英語版の『スイミー』と比較して読んでみると、日本語ってすごく繊細できれいだなとしみじみ感じて。日本語のよさを再認識できたのもよかったです」(きゃめさん)

『天秤座』(石井ゆかり)

2010年の発売以来、口コミで広まって累計120万部突破の大人気シリーズ。このシリーズは、各星座が持つといわれる世界観をそれぞれ1冊ごとにまとめたものです。その星座特有の「風景」「才能の輝き」「失敗する傾向」などが、抑制の効いた、しかし情緒のある文体で語られてゆきます。この本をきっかけに自分を見つめなおし、未来を励ましてゆく読者が育つことをを願います。

WAVE出版サイトより引用

「これは社会人になってすぐの頃に買って、ずっと持っている本です。当時、なかなか仕事がうまくいかなくて。仕事がはかどらない残業中にフラフラとオフィスを抜け出して、近くの本屋さんをのぞきに行ったら、この本の素敵な模様が目に入って衝動買いしました。
中身としては天秤座ってこんな人だよって紹介している本なんですけど(私は天秤座です)うまくいかないと思っていた時期だったからこそ、天秤座のいいところはこんなところだよって言ってくれる石井ゆかりさんの優しい文章になぜかすごく励まされたんです。買ってからもう15年以上経ちますが、疲れ果てて気力が出ないとかにパラパラと眺めると、いまだに元気をもらえる本です」(きゃめさん)

『幸福のレッスン』(鴻上尚史)

◎悩むことと考えることを区別する、◎「受け身のポジティブ」で生きる、◎10年先から戻ってきたと考える…幸福になる45のヒント

大和書房サイトより引用

「30代前半に『幸せってなんなんだろう』と悩んでいた時期に出合った本です。プライベートでの悲しいことが続いて迷走していたときに、少しでも前向きに生きるためのヒントが欲しくて、幸せに関係しそうな本をとにかく読み漁りました。精神科医の先生が書いているものから、スピリチュアル系のあやしい感じのものまで。
この本は幸せについて教えてくれているわけではないんですけど、『私は何を幸せだと感じるのか』というのを考えるためのヒントをたくさんもらえました。
本の中にある、回り道をしてもいい、時間がかかっても無駄ではない、考え続けることが大事なんだという内容の言葉に当時すごく勇気をもらって。そこから何年もかけて『私が幸せだと感じること』を少しずつ見つけていくことができました。たまにパラパラ読み返しては、苦しい時代があったなあと振り返っては懐かしい気持ちになって、心のなかで『あのときの自分、お疲れ!』って言ったりしています」(きゃめさん)


きゃめさんの本棚

本当は壁一面にドーン!みたいな素敵な本棚が欲しいそうですが(憧れますよね!)、なかなか。。ということで、現在きゃめさんの本棚は無印良品の本棚やボックス、食器棚を活用しているそう。

リビングに設置している本棚は思い出のアイテムや子ども達と読める本を置いているそう。例えば子どもが3歳の時に贈った手作りの絵本や、動物園に行った際のお土産のお菓子缶なども飾っているそう。素敵ですね。

リビング食器棚の本コーナー。本と一緒に思い出の品もレイアウト。

雨の降った週末には谷川俊太郎さんの『すき好きノート』を家族で書き、今月の目標をみんなで考えて発表しあったりもしているそうです!
「これからの時代を生き抜くためには”言葉にできる力”が大切なんじゃないかなと思っているので、子どもと一緒に内省する時間を意識的にとっています」(きゃめさん)

書斎の本に関しては、きゃめさんのものだけではなく旦那様の書籍も半分ほど。
「夫と興味が似ているので、同じ本を買ってしまわないように、相手が持っていそうな本は、お互いなんとなく『この本持ってる?』と確認してから買うようにしています。笑」(きゃめさん)

書斎には本がぎっしり。旦那様とは読書の興味範囲が似ているそう。


デスク横に置かれているのは、基本的にはきゃめさんの本たち。
「マーケティング系の仕事をしているのでその参考資料と、今年ちゃんと読みたいと思っている個人的な課題図書を置いています。とにかく思考を書き出すことを大切にしていて、メモ魔なのもあり、いろいろな『まとめノート』を書いています。読書まとめノート、名言まとめノート、仕事メモ用ノート、アイデアメモ用のノートなどなど。本棚の4割くらいはノートが占めているかもしれません」(きゃめさん)

デスク横はマーケティング関連書籍やまとめノート系を。

というわけで、第3回目はきゃめさんの書籍セレクションと本棚を見せていただきました。家族みんなで本を楽しむ生活をしていらっしゃるのが伝わってきて、とっても素敵です!
本企画ではこれからも市井に生きる色々な方の推し本を取材していきます!気にいっていただけた方は、ぜひ下記のSNSをフォローしてみてくださいね~。

取材:井谷麻矢可(出版社アプレミディ)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?