2024年8月の読書
アウトルックのカレンダーが31日まで表示してあるので、あと1日あると思ったが8月は30日までだった(やっぱ31日まであったんだ。記憶にないだけであった)。まあ今更ジタバタしてもしょうがない。9月は変わらないのだった。8月後半風邪を引いたけど、図書館に行けないぐらいでそれほど影響はなかったのか?でもやはり自宅読書は誘惑が多すぎる。今月はくぼたのぞみ月間だったか。ポスト・コロニアルについていろいろ本を読んだ。
2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:27冊 読んだページ数:8174ページ ナイス数:1031ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→
ベスト本
『文化と帝国主義』エドワード・W. サイード
はっきり言って難解だった。読書案内ぐらいにはなったか。この手の本は新書とかの解説でいいと思う。
ウェイリー版『源氏物語』がコロニアル文学であることを知るには良かった(『オリエンタリズム』のほうがわかりやすいか?)。
『窯変 源氏物語〈13〉 寄生 東屋 浮舟 1』橋本治 (中公文庫)
あと一冊を8月中に読んでしまいたかったが、無理だった。「宇治十帖」になってから、橋本治もそれほど物語を改変することもないのだが、その分だらだらと長くなっているような。
『東京オリンピック 文学者の見た世紀の祭典』(講談社文芸文庫)
1968年の東京オリンピックについての作家たちの手記。文筆オリンピックという感じだったとか(それにしては国体レベルだが)。三島由紀夫のはしゃぎっぷり、石原慎太郎のダメ出しという面白い文章が多かった。
『芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2』
「高橋源一郎の戦争を読む」で紹介された「芋虫」を読んだ。以前見た映画『キャタピラ』の原作だと知って興味を惹いた。
『『パターソン』を読む』江田孝臣
最近はアメリカ詩に興味があった。ギンズバーグのウィリアムズ『パターソン』の影響などが知れて面白い本だった。
『アレン・ギンズバーグ』谷岡 知美
そのギンズバーグ入門書というべき評伝と詩。ただ研究論文っぽい文章で読みにくい。
『サマータイム、青年時代、少年時代 』J・M・クッツェー
J・M・クッツェーのポスト・コロニアル小説。これほどわかりやすい本はないと思う。必読!。
『曇る眼鏡を拭きながら 』くぼた のぞみ,斎藤 真理子
そのクッツェー翻訳者くぼたのぞみと韓国文学の翻訳者斎藤真理子の対談本。ポスト・コロニアル理解と『サマータイム、青年時代、少年時代 』についても言及されていた。
『鏡のなかのボードレール』くぼた のぞみ
これも良書だった。ボードレールの詩から読むポスト・コロニアル文学。
『つゆのあとさき』 永井荷風
永井荷風はボードレールを翻訳するほど影響を受けていたと思う。ポスト・コロニアルで読むとまた違った発見があるかも映画『つゆのあとさき』はその試みだったのかもしれない。