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五行詩は短詩だけど俳句や短歌に比べて規則もないのでもっとも作りやすい詩かもしれない。目指せ五行詩の芭蕉? 五行詩だけでなく他の多行詩も加えました。
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#谷川俊太郎

詩の言霊降霊術

詩の言霊降霊術

『詩を書くということ』谷川俊太郎 (100年インタビュー)

NHKで放送された番組の書籍化のようである。インタビューということでわかりやすいし、NHKの番組ならなおさら信頼が置けるのかもしれない。そんなことは知らずにただタイトルだけを見て図書館で借りたのだが、谷川俊太郎は言葉というものが他者のものであり、それを伝達するのが詩人ではと言っているのかもしれない。自分の言葉なんてほとんどないという。ほ

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シン・現代詩レッスン138

シン・現代詩レッスン138

谷川俊太郎「昨日のしみ」

谷川俊太郎『詩を書くということ (谷川俊太郎)』から。谷川俊太郎は自分の詩を依頼されて書くという。それは今の資本主義的なあり方なのだが、それでフォーク歌手に歌われていたりするのだ。作曲は武満徹とか(これが武満徹の遺作とか)。

やはり抒情なんだな。叙事詩は大きな物語だが抒情は小さな物語の日常性ということだろうか。「しみ」みたいなもんだよ、と歌う。そんなしみが老いとともに

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シン・現代詩レッスン137

シン・現代詩レッスン137

谷川俊太郎「かっぱ」

谷川俊太郎『詩を書くということ (谷川俊太郎)』から。NHKで放送された番組の書籍化のようである。インタビューということでわかりやすいし、NHKの番組ならなおさら信頼が置けるのかもしれない。そんなことは知らずにただタイトルだけを見て図書館で借りたのだが、谷川俊太郎は言葉というものが他者のものであり、それを伝達するのが詩人ではと言っているのかもしれない。自分の言葉なんてほとん

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みんなで詩作、詩人の輪

みんなで詩作、詩人の輪

『詩探しの旅』四元康祐

まずこの本が詩の専門誌に発表されたのではなく、日本経済新聞に書かれたことに驚く。ほとんど現代詩に興味がない読者だと思うのだ。その読者に向けて朝刊の連載のコラム的な記事を書く。まず読みやすさはそういうことなのかもしれない。それは谷川俊太郎の名代という言葉が現しているのだ。谷川俊太郎の代わりに日本代表詩人として、詩のフェスティバルに参加する。その体験が『偽詩人の世にも奇妙な栄

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シン・現代詩レッスン114

シン・現代詩レッスン114

谷川俊太郎「さて」 

『現代詩手帖2024年1月号』特集「現代日本詩集」から谷川俊太郎「さて」。去年の新年号に掲載された谷川俊太郎の詩。今年はないのだから、ほぼ晩年の詩なのか。『現代詩手帖2025年1月号』には、谷川俊太郎の名前がないので、その「喪失感」たるやこの目次が詩みたいだ。谷川俊太郎への追悼詩もあるし。

谷川俊太郎ぐらい詩を体現した人はいないだろう。もう呼吸が詩みたいな人だった。何を書

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シン・現代詩レッスン24

シン・現代詩レッスン24

テキストは寺山修司『戦後詩』に戻って第二章「戦後詩の主題としての幻滅」から。寺山修司が否定する戦後詩は「荒地」派の日本の先行き真っ暗だぜという、今読むとけっこう惹かれてしまうのだが、寺山修司は今いる若者のようにそんなに未来がなくてどうするというものだった。そこで持ってきたのが朝の思想という「おはよう」詩というような谷川俊太郎を上げるのだった。だが今の日本の状態が谷川俊太郎のような詩が一人勝ちのコピ

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