(詩)てのひら
そっと
手を広げれば
わたしの中に宇宙が
わたしの手のひらの上で
ゆっくりと回る
宇宙、銀河
渦巻き、渦巻く
わたしの指は
宇宙に触れるのに、ちょうどいい
わたしの腕は
宇宙を抱きしめるのに
わたしの手のひらは
宇宙をのっけるのに
ちょうどいい感じ
銀河系がなつかしいのは
そこがわたしの
こころ、だから
やっと、今頃気付いた
そっと手を広げれば
わたしの中に
傷だらけの宇宙が還って来る
わたしの手のひらは
銀河系第三惑星
かなしみ、さみしき駅の
プラットホーム
いつでもここに
いくせんの銀河の涙がいこう
いつかまたわたしが
この星から旅に出る時
それはわたしが宇宙に
帰るのでなく
宇宙が、わたしの中に
わたしが
宇宙になる、だけ
いつも
銀河系がなつかしいのは
なつかしくて
仕方なく思うのは
わたしがわたしを
思い出している、だけのこと
やっと今、気付いた
そっと手を広げれば
わたしの手のひらは
ひとつの宇宙です
いつまで見ていても
見飽きることがない
銀河系第三惑星の
小さなプラットホームです
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