ならわし ~家族の物語~| 番外編
連日投稿している「ならわし」が明日で終わる。こんなに多くの方々に読んで頂けるとは思わなかった。
1年ほど前、何かで見た、アステカ式出産法を描いた衝撃のイラストを忘れられない。
だから小説を書くようになってから、いつか題材にしようと頭の隅に、常にあった。
いざ書こうと思って、情報収集のため図書館に行くも、アステカ文明関連の読みやすそうな本は、新刊でなくても人気で、予約して1ヶ月ほど待った。
それなのに、届いた本2冊には、生贄や拷問の話ばかり。出産法については載っていなかった。ネットを探すも、同じくイラストから興味を持った、という人の感想だけ。アステカ式出産法は本当に行われていたことがあるのかなあと、ますます怪しく思う。
忠実に描ける部分がないのなら、別の切り口を探せば良いというのが、フィクションで書く良いところ。
一先ず始めてみて、進んでいくままに書いた。
5話くらいまで書いたところで、いったん飽きて、短編などにうつつを抜かす。
年が明け、参加していた20字小説の期間が終わり、熱が冷めたところで、書き途中だったことを思い出し、仕上げた。
世の中が大変なときではあるが、投稿してはいけない話でもない。
「ならわし」の主人公と同じ悩みを抱える人は、現状、いないかもしれないけれど、なかなか切実な内容、家族の物語なのだ。
……と、後付けでそれっぽく言ってみる。
「ハンドメイズ・テイル~侍女の物語」という衝撃のドラマがあり、大好きで見続けている。(私はWOWOWで見ているので、遅れている)
「ならわし」1話の冒頭で妻が語っているのは、このドラマのあるシーンについて。
このドラマは全てが衝撃なので、ここでは何も言えない。
私は主人公を演じる女性の迫真の演技に毎回心打たれて泣いている。
私はグロテスクなものや、恐ろしい描写があまり好きではないし、自分で書いたこともないので、この「ならわし」という物語もきっとそんなところからは遠いところにある話だと信じている。(知っているくせに)
「ならわし」ということばを見続けていると、本当に「ならわし」であっているっけ?「なわらし」じゃなかったっけ?とわからなくなったりする。そんなことも明日で終わり。寂しい。