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【心理学者の雑学】不確かなことに耐性がないとこころの健康にはよくないのかも

前回の記事では「不確かなことに耐性がない」と、いろいろと不都合が起こりますよという話をしました。


今回はその不都合のうち「こころの病気に関連するかも?」ということをお話しします。

参考文献はこちらです。

この2つの研究では、大人と子どもの不確実さ不耐性がこころの病気の発生にどのような影響を与えたかについて、いろいろな研究成果をまとめたメタアナリシスという方法を使って調べました。

そうしたところ、

不確実さ不耐性は、全般性不安症、うつ病、強迫症のそれぞれと中くらいの相関関係にあることがわかりました。つまり、不確実さ不耐性を持つことで、これら3つのこころの病気の症状が強くなりやすい。

ことが示されました。

もう少しいうと、不確実さ不耐性とこれら3つの疾患の関連性の強さに大きな違いはなかったため、不安、うつ、強迫のそれぞれの問題を持つ人は、不確実さ耐性という共通の特徴を持つ可能性が示されました。

また、おとなのうつや不安の発生や持続だけではなく、子どもや青年での不確実さ不耐性の役割への関心が高まっています。やはり、メタアナリシスという手法を使った研究の結果も、

不確実さ不耐性は子どもの不安や心配を強めている。

ことがわかりました。

したがって、子どもや青年の不安や心配の発生や持続にも不確実さ不耐性が関連していると考えられます。

研究なので様々な限界点があることは考慮すべきことですが、うつや不安が強いなあという方は、不確実さ不耐性があるかも?と考えてみてもいいかもしれません。

今後の記事では不確かさ不耐性との付き合い方についても考えてみたいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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