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車の故障から考える、先の見通しが立たないとうつになる理由【心理学】
福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。
先日話しておりました車氏の生還がちょいときびしい状況になりました。。
まず、修理費用がけっこうかかると。エンジンが壊れてしまったそうで、さらなる点検も必要なのですが、最低でも3桁手前くらいまでかかり、点検によってはエンジンごと総入れ替えになるそうです。
次にパーツが来るのが早くて12月末になるとのこと。海外の車で年式も多少古いので国内にパーツがないそうです。
まぁここまで来ると仕方ないなという感じではあるけれども、新しい車を買うとして、まだしばらく車無し生活で、山の上の大学までバス通勤する日々が始まるわけです。
現時点では、この先どうなるかわからない、車を買ったとしていつ届くのか、いくらくらいかかるか?また壊れるんじゃないか?など複数の不安ごとが出てきます。
こういう状況下でひとはうつになりやすいと言われています。
先行き不透明、今後どうなるかわからない状態では下記のようなことが理由でメンタルヘルスに影響してきます。
ひとつは不安です。先がわからない状態では人は不安になるのですが、不安はうつに先立つ感情として起こることが知られています。
ずーっと不安を感じているとだんだんと無力感状態にもなります。そうすると、じぶんでコントロールできない状態に陥ります。
コントロール感を失うと、ひとは絶望感を感じます。その結果、うつの症状のひとつである興味・喜びの喪失状態に陥っていきます。
そして今回の場合は経済的な変化、車の購入費がかかるということで、経済的な困難もうつの原因になります。
という状況に車が壊れたことによって陥っています。
この状況の打開策は問題解決を図ることです。
今回の場合の問題解決は車を手に入れることです。
そして不安の原因は先行きが不透明であることなので、先の見通しを立たせるために、この先どうなるのかを段階ごとに書き出していって、この作業が終わればことが終わるという状態を作ります。
最後に、先に進んでいない感覚が絶望を生み出すため、この目標に向けて一歩ずつ進んでいきます。
というステップを踏むことで、今回の車の故障からの廃車という事態によるうつからの改善が見込めます。
とはいえ、ことが起きたすぐのときは悲しみが生じます。お気に入りの車を失うことは喪失体験につながりますので、しっかりと悲しみ、感謝をしてから先に進みましょうね。
わたしもだいぶ悲しみに暮れているので、ちょっと休んでから具体的に動き始めようと思います。
未来が見通せない状態がうつ病を引き起こす理由には、いくつかの要因が関連しています。以下にいくつかの例を挙げます。
不安とストレス:将来に対する不確実性は、不安やストレスを引き起こしやすいです。これは、特に長期間にわたる場合、うつ病のリスクを高めることがあります。
無力感:将来に対する計画や予測が困難な状況では、個人が自分の生活に対するコントロールを失っていると感じることがあります。この無力感は、うつ病の一因となることがあります。
ネガティブな思考パターン:未来が不確実な状況では、ネガティブな思考が強まり、これがうつ病の発症につながることがあります。
社会的・経済的な問題:仕事の不安定性や経済的困難など、未来に関する不確実性が原因で生じる社会的・経済的な問題も、うつ病に影響を与える可能性があります。
これらの要因は、個人の精神的健康に大きな影響を及ぼすことがあり、うつ病の発症につながることがあります。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。
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