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パニック症ではからだへの感覚が敏感になる?
どうも、あおきです。医学部でコミュニケーション教育と心理学教育を行っている研究者兼心理カウンセラーです。
今日は「パニック症の発生メカニズム」と、その治療法である認知行動療法についてお話しします。
パニック症って、聞いたことあるかもしれませんが、急に強い不安や恐怖を感じてしまう症状のことを指します。
たとえば、突然胸がドキドキしたり、息が苦しくなったり、まるで自分が死んでしまうんじゃないかと感じるようなことが起きます。
特に、電車やエレベーターなど、逃げられない場所にいるときに発作が起きやすいと言われています。
まず、パニック症の発生メカニズムですが、ひとつには「身体感覚や内部感覚への過敏性」が関わっています。
たとえば、ちょっとした心臓のドキドキや、息切れなどの感覚に対して、パニック症の人は過度に敏感になりやすいんです。
この敏感さが不安を引き起こし、その不安がさらに身体の異常な反応を呼び起こすという悪循環が始まります。
こうした感覚の過敏さは、自分の体がどういう状態かを常にモニターしていることから来ています。
たとえば、少し息苦しいと感じただけで、「あれ、呼吸がうまくできない!?」と心配になり、その心配がさらに呼吸を速くしてしまい、もっと息苦しく感じる、というようなループが発生します。
この身体感覚に対する過敏性が、発作を引き起こす大きな要因の一つです。
では、どうやってこの症状を治療していくかというと、認知行動療法(CBT)が非常に効果的です。
CBTでは、まずパニック症の患者さんがどのように身体の感覚に反応しているかを理解し、その反応を変えていくことを目指します。
ここで重要になるのが、エクスポージャーという技法です。
これは、怖がっている状況や感覚に少しずつ慣れていくための方法です。
具体的には、パニック症の人が感じやすい「ドキドキする」や「息苦しい」という感覚に対して、少しずつ体験してもらいます。
たとえば、階段を上ったり、息を一時的に止めてみたりして、意図的に心臓のドキドキや息切れを感じる場面を作るんです。
このようにして、徐々に自分の体がどう反応しても大丈夫なんだ、と慣れていくことが重要です。
また、CBTでは「認知再構成法」という考え方を使います。これは、自分が体の感覚に対してどんな考え方をしているのか、その考え方が過剰に不安を引き起こしていないかを見直していく方法です。
たとえば、「心臓がドキドキしている=危険だ!」という考え方を「心臓が少しドキドキしているだけで、これはただの一時的な感覚だ」と捉え直す練習をします。
このように、パニック症では身体感覚への過敏性と、それに伴う不安をどう乗り越えるかが治療の大きなポイントです。
認知行動療法は、時間はかかるかもしれませんが、徐々に身体感覚への過敏さを和らげ、不安をコントロールできるようにする方法です。
パニック症はつらいものですが、適切な治療で少しずつ乗り越えていけるので、焦らず取り組んでいくことが大切です。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!