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不邪淫戒(ふじゃいんかい)【憂世で生きる智慧】
男女間の淫らな関係を戒める戒律がある。泳げない者が水泳大会に出場する位、戒律を守れない者は原始仏教集団には存在しなかった。彼らの外部への啓蒙活動は、戒律を押し付けるのではなく、仏教を弘めることが最優先だった。
水泳大会には「泳げる者が出場する」「泳げる者しか出場できない」というのは当たり前すぎて考えたこともなかったが、このお話を聞いてハッとさせられた。
その戒律を厳守することは、彼らにとっての基本中の基本であり、宗教的なアイデンティティの一部でもあった。しかし、ここで誤解してはならないのは、彼らの外部への啓蒙活動の本質である。彼らは決してその厳しい戒律を外部の人々に押し付けようとはしなかった。仏教を広めることが彼らの最優先事項であり、そのためには柔軟なアプローチが必要だったのだ。
たとえば、ある日、若い求道者が村の外れで出会った異教徒の農夫に対してこう語りかける。「あなたの心に平穏をもたらす教えがあるのです」と。農夫は不思議そうに首をかしげるが、求道者は続ける。「その教えは、あなたの日々の生活をより豊かにし、内なる平和をもたらすでしょう」と。その瞬間、農夫は何かに心を動かされ、耳を傾ける。そして、求道者は仏教の基本理念を優しく説き始める。
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このように、原始仏教集団は外部への啓蒙活動を通じて、戒律を押し付けるのではなく、仏教の真髄を理解し、受け入れてもらうことを目指したのである。それはまるで、一滴の水が岩を穿つように、少しずつ、しかし確実に人々の心に浸透していくものだった。
このような歴史的背景を持つ原始仏教の戒律は、現代に生きる私たちにとっても多くの示唆を与えてくれる。それは、自分自身を律し、他者への押し付けではなく、共感と理解をもって接することの大切さを教えているのかもしれない。
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