日々是短歌、ひりだす哉。 4/7(日) / 12
⑴
朝布団からなんだこの閉塞感は
梅雨今年も訪れし古傷のごとき
■ミニ解説(と自己分析)
意味は「梅雨の訪れを感じる朝の布団の中の閉塞感」なのだが。
noteにアップする一分前まで⑶の句だった。
とつじょ上の句に変えてアップした。
「なんだこの閉塞感は?」みたいな感じ(ことば)が急に頭に思いついた。「こういう描写はなんか個人的にいいな」と思って急遽変更した。
作った手順は⑵➡︎⑶➡︎⑴だ。
⑵目を開けずとも
古傷みたいなこの感じ
今年もきたな梅雨の始まり
さいしょに頭に浮かんだ⑵の句。
それから少しだけ推敲作業(小説とおなじ)。
以下の③点を心がけて整理をする。整理はやりすぎない。料理のようにぱっと仕上げることを心がけた。
①意味が重なっている箇所をひとつに(片方を削る)する。
②抽象的なことばを具体的(名詞などに置き換え)に。
③説明文(日本語を日本語で説明している箇所)を描写にする。
例)
目を開けずとも➡︎単体では意味がわからない「朝布団」に変更
⑶
朝布団からこの閉塞感
古傷のごとき今年も訪れし梅雨
今日の玄人の二首(三首になった…… )
いたらなさといたたまれなさは遠縁のこどもみたいに少し似ている
ひだまりでくにゃくにゃしている猫を見る凝視しすぎてやや泣けてくる
佐藤りえ 裏庭
作品二十首より「短歌研究2021年6月号」
■ミニ解説(個人的な感想)
日本語の連なりがいいですね。「いたらなさといたたまれなさ」「ひだまりでぐにゃぐにゃしている」って感じが「活きがある感じ」が。活きがある? 言葉にすると躍動感。でもそういう説明でなく、「ぐにゃぐにゃしている」という「感じ」を「ことば(からだ)で感じる」それがいいです。
日曜日ニッチな曜日 あれこれとネット渡り見して一日過ぐ
大塚寅彦 施無畏手(せむいしゅ)
作品二十首より「短歌研究2021年6月号」
■ミニ解説(個人的な感想)
ぼくはすこし苦手な歌です。なぜ苦手なのかはじぶんでもわかりません。苦手な歌を褒める。それってムズカシイ。というのに気づきました。笑。でもいい歌だと思います。日曜日のお父さん? (女性にも解釈はできますが) 日曜日の一風景が頭に浮かびます。