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ブルーオーシャン戦略の『後付け感』に萌え転がる

概略図(飛ばして結構です。無駄に図解にハマってます笑)

わたしは、いま、この文章を書き始める瞬間、自分自身に「なぜこれを書こうとしているのか」という問いを投げかけました。そして、同時に「なぜわたしはみなさんのこんな変態的な期待に答えようとしているのか」という問いも浮かびました。そして、答えはすべてひとつの言葉に集約されるのです。「萌える」。そう、今回は「ブルーオーシャン戦略(※1)」というビジネス界隈で多用されてきた後付け理論(※4)に、理系経営コンサル(※3)のアラサー女子が全力で萌えるという、脳みそ蒸発系エッセイを書き上げる運命なのです。まずはこれを承知の上で、この知的な深淵の萌え沼を一緒に覗いてくれると嬉しいです。

ブルーオーシャン戦略といえば、ビジネス書界隈で「勝ちゲー理論」の筆頭。要は、血みどろで戦う既存市場(レッドオーシャン(※2))をよそ目に、競争相手がいない新しい市場(ブルーオーシャン)を見つけて独占しちゃおうぜ、という話です。一見、目からウロコがポトリと落ちるような光明のごとき戦略に見えます。でもよく考えてください。これって「競争するな」って言われてるだけですからね? しかも、成功事例は大体後から都合よくこじつけたものが多いという謎の仕上がり感。要するに、ブルーオーシャン戦略は「後から考えれば全部ひとつのシナリオに見えるよね」っていう青年漫画のご都合主義的展開に近いのです。いや、わたしたち経営コンサルはこんなこと口に出して言えないんですけどね。ええ、クライアントの前ではもちろん。「素晴らしい戦略ですね!」って全力で褒め倒します。でもここは安全な知的お漏らしゾーンなので、真実を言います。「成功後の自己正当化に萌えるわたしの心情よ」。

さて、わたしはここで問いたいのです。「なぜわたしはこの理論に萌えを感じるのか?」理系女子として、実証的データを愛し、数学的な美しさに酔いしれるタイプのわたしが、なぜそんな後付け臭漂うものに興奮してしまうのか? 答えは簡単です。人間の心は論理だけでは動かないからです。むしろ、矛盾と自己欺瞞、そして不可解な謎に満ちたストーリーテリングにこそ、心の琴線が触れるのです。ブルーオーシャン戦略はまるでベタな少年ジャンプの主人公のような存在。圧倒的な才能や努力で逆境を乗り越えるのではなく、「いや、ぼく、この戦場で戦わないから」という斜め上の選択で勝ち抜く。それってつまり、ビジネス界隈における「俺TUEEEE系」の萌えキャラじゃないですか。誰もいない市場(妄想空間)に一人で突っ走る孤高の天才感。わたしの変態的なフェチ心をくすぐり過ぎるんです。

でもね、本当に面白いのは、この「萌え」がわたしの深層心理にどう作用しているかというところ。わたしは自分の中に、「勝ち組になりたい」という薄汚い野心と、「戦場から逃げたい」という自己防衛本能の二面性を感じるのです。ブルーオーシャン戦略という物語は、この矛盾を一瞬だけ正当化してくれる夢の箱舟。誰もいない市場を見つければいいんだから、血みどろの戦いなんてしなくていいじゃん、という甘い囁きに酔いしれることができるのです。ここで重要なのは、この理論が「後付けだ」という点です。もし完璧に実証された戦略だったら、そんなエモさは湧いてきません。むしろ「ああ、はい、普通にロジカルですね」で終わっちゃう。わたしのオタク脳は、「完全ではない」ものにこそ、執着します。「うん、それ、ちょっと矛盾してない?」と思わせる絶妙な隙間に、自分の萌えポイントを見つけるのです。

それにしても、後付け理論ってなぜこんなに人間を惹きつけるのでしょうね? わたしはここに、進化心理学的な理由があると思っています。人間は、生存戦略として「語り」を必要とし、それを通じて意味を見出そうとしてきた。だからこそ、後から「これはこういう意味だったんだ」とストーリーテリングすることで安心感を得る生き物なのです。だからブルーオーシャン戦略も、成功した企業の後付け事例集でありながら、その語り自体がわたしたちの脳内報酬系を刺激する。いや、むしろその「後付け感」こそが萌えの本質なのかもしれません。人間は完全な論理や完璧な答えよりも、ちょっとした欠陥や矛盾に興奮することをお忘れなく。心理学的な観点から見ても、「隙」のある理論ほど、人間は感情的に惹かれるのです。全くもって、いとおしいじゃないですか。

そして、わたしはここでそっと自分を振り返る。何のためにこんなにも長く長く、この理論について語っているのか。答えはひとつ。「わたしが萌えるため」です。でもね、わたしだけじゃないはずなんです。あなたも心のどこかで、この後付け理論の語りに少しだけ「わかる」って思ってしまったんじゃないですか? そういう小さな共感が、わたしの知的お漏らしを正当化してくれるんです。いや、そもそも正当化する必要なんてないんですけどね。わたしたちは自由なんです。自由に矛盾に萌えて、自由に後付けに快感を覚える。これが人間の本質なんじゃないでしょうか。

さて、長々と書いてきましたが、ここまで読んでくれたあなたには感謝しかありません。そして謝罪も。こんな濃厚で胃もたれする文章を浴びせてしまってごめんなさい。でも、それがわたしの愛です。そして萌えです。年明け早々、変態的知的お漏らしエッセイをお送りしました。それでは、また(多分もう一度)お会いしましょう。


【用語解説】(年明けてちょっと進化しました)

(※1)ブルーオーシャン戦略
ビジネスの世界では、血みどろの闘いが繰り広げられている海を尻目に、「波が穏やかでライバルもいない青い海に行けば勝てるんじゃない?」という夢見る戦略。聞こえはスマートだけど、その青い海がどこにあるかは自己責任で探すしかないという“案外ざっくり”感が魅力。

(※2)レッドオーシャン
こっちは、もうアレです。ピラニアが大量発生してる血みどろの海。きれいな海に見せかけて、気づけばサメもワニも潜んでる怖いところ。激しく競争する気力がない人は、つい「ブルー」がいいよね、と考えちゃう、まさに死線スポット。

(※3)経営コンサル
企業のお悩みをロジックとプレゼン資料とメンタルタフネスで解決するプロフェッショナル(のはず)。ただし相談者にとって、言われたことを実行するかどうかは別次元の問題。妙にかっこいいカタカナ用語を連発するのも可愛いお仕事ぶり。

(※4)後付け理論
何かすごい成果が出た後、「実はこの成功には理論があったんです!」と華麗にまとめ上げる便利な魔法。最初から狙っていたと言わんばかりだけど、正直「ぜんぶ事後報告やん」とツッコミたくなる。でも、そこにこそ人間のロマンが詰まっているのです。


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