本を読もう!(9)---日本史を得意科目にしてくれた″恩人″
学研まんが事典シリーズ
江戸・明治・大正・昭和
『 まんが日本史事典 ③ 』
谷口五男 / 日本PTA全国協議会推薦 (学研)
小学校低学年のときに盲腸炎で5日ほど入院しました。(←藤沢の病院でしたが、それはそれは古い木造の建物で、クーラーもありませんでした。しかも入院したのは夏休み中でした、、)
入院中は基本元気でしたので、消灯まで時間があるでしょうからと、本好きの私に母がたくさん本を買ってきてくれました。そのとき母が選んだもののなかに、私にとって運命的な出会いとなった1冊が存在していたとは、そのときは夢にも思いませんでした。
その″1冊″とは『まんが日本史事典③』で、初版は1982年ですからもう40年前の本になります。当時小学校にも"学研まんが"はいろいろありましたが、この『まんが日本史事典』はありませんでした。
『まんが日本史事典』は①②③の3巻シリーズです。なぜいきなり″最終巻″を買ってきたのか、当時母に尋ねたところ母曰く、「(この本なら勉強になるだろうとかはほとんど意識しなかったが)何となくこれかしらと思って手に取ったの。買ってきたものが③だったとは分からなかったわ。でも確か他の巻は無かったと思う。」だそうです。
母がこの本を購入したのは確かに″偶然″かもしれません。けれど私は小学校に入学したころから毎朝毎晩NHKのニュースを視たり、時事的な物語やマンガを読んだりすることにたいへん興味があったので、たまたま入院してまとまった時間のあるときに、かなりしっかりとした近現代史(←この学研まんがは″子ども向け″以上です。大学生でもおそらく正確に説明できない用語がたくさん出てきます。)をこのまんが事典で学ぶことができたのは、ほんとうによかったと今でもずっとそのことをありがたく思っています。(←母はその子自身が好きでやってみたいと願うことがあって、それがその子の才能の開花につながるのだとすれば、それをできるだけやらせてあげることを子育てのポリシーとしていたそうなので、いつも割とニュースを見ているような私に対して「この本なら」と直感的に思うところがあったのかもしれません。)
この日本史事典を読んだのは、実質3日間だけです。その3日間で「このまんが事典の内容を全部覚えたい」などといった、そういう目論見のようなものはまったく持っていなかったのですが、結果としてほぼすべての内容が頭に入っていました。
最初の1日で全部に目を通して、2日目は裏表紙に描かれた大名行列の人数を(なぜか)数えたりしました。3日目に『風神雷神図屏風』といった文化史に関する写真をじっくり観たりしたのも、まるでつい昨日のことのような気がして、とても不思議な感じがします。
竹千代(←昔は年齢によって名前が変わることがあることをこのまんがで初めて知り、もういきなり冒頭1ページ目からとても勉強になりました。)の誕生から戦後(←こちらはかなり短くなっています。)まで、これ1冊で中学校の日本史はほぼ全部、高校でも4割くらいの範囲は履修できると思います。頼もしいまんがです。
次回に続きます…
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