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50代の「泣きたい日」を「哲学」から考えてみる
50代になっても「泣きたい日」ってありますよね?
人は「悩む」生きものですよね。
人生の下り坂、若い頃とはまた違った悩みがあります。
今、こんな本を読んでいます。
本書と悩みにこたえるために書かれた類書との違いは、哲学が根本にあるところです。
私はもともと哲学を学んでいましたが、30代の初めにオーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーの思想に触れ、哲学は生きる時に避けることができない問題、とりわけ、対人関係の問題を解決できなければならないと考えるようになりました。
アルフレッド・アドラー、「嫌われる勇気」でご存じの方も多いでしょう。
同じ岸見一郎さんの著書です。
今日は本書から、50代からの未来の悩みについて、
ヒントを見つけてみたいと思います。
自分を変えたいけれど
本書では、Q&A形式で「悩み相談」に答えています。
Q:心機一転、新しい自分になるためには
どうしたらいいでしょうか?
A:無理に自分を変えようとしてもうまくいきません。
それより大事なのは、自分を「うまく使いこなす」ことです。
なぜ新しい自分になるのが難しいのかといえば、一つは、今の自分の生き方は不自由で不便であっても、馴染みがあるからです。
何かをする時、これまでと同じようなやり方をすれば、結果もある程度予測できます。
人間性 あるいは性格ではなく、行動を変えることです。
おおらかな妻になることは難しくても、遅く帰宅した夫に対してにこやかに「お帰りなさい」ということであれば、出来ないわけではありません。
自分という道具は、取り替えることができません。
この「自分」は癖があるけれども、それをどう使いこなすかが大切なのです。
人生のすべてが「不安」
Q:人生のすべてにおいて不安です。今の仕事も将来どうなるかわからず、貯金もわずかでパートナーもいない。どうしたらいいでしょうか。
A:明確な対象がないから「すべて」が不安になるのです。
ぐちぐちいわず、出来るところからやってみるしかありません。
まず不安がどういうものかを明らかにするために、「恐れ」と比べてみましょう。恐れは不安と違って、明確な対象があります。恐怖を感じたら、人はその場から逃げ出そうとします。
他方、不安はそうではありません。キルケゴールは、不安の対象は「無」であると言っています。あれやこれやの出来事によって不安になるのではなく、何でもないこと(無)が人を不安にさせるのです。
なぜ不安には対象がないのかといえば、明確な対象がある必要がないからです。漠然とした不安であれば、そのことを何も手につかないことの理由にすることができます。
人生の困難に対峙しないでおこうという決心がまずあって、その決心をより強固にするために不安になっているので、実際何かの困難に遭遇すれば、たちまち逃げ出す。
まず、自分が置かれている現実はどうすることもできないほど困難ではない、ということを知らなければなりません。
歳を重ねることが怖い
Q:最近、歳を重ねていくことが怖くなってきました。
A:人生に慣れることができない自分を肯定しましょう。
そして、若さが失われることは「喜び」でもあるのです。
ずっと若くあることができれば、歳を重ねることを恐れないですみます。
人生に慣れることができない人こそ、いつまでも若くいられるのです。
それと同時に、歳を重ねるから味わえるものもある。
生きていくことは苦しく、歳を重ねればいよいよそう感じることが多くなるのは本当です。それでも。歳を重ねればこそ経験できることもあります。
精神科医の神谷美恵子が『生きがいについて』を執筆中に日記に次のように書いています。
「過去の経験も勉強もみな生かして統一できるということはなんという感動だろう。」
「生きていく」とは
「カラ元気な精神論」ではない本書。
(連載をしていた)クーリエ・ジャポンの当時の編集長が
「後ろ向きの人生論」で面白かったと評したことをよく覚えています。
何でも思う通りになると考えるポジティブな人には「後ろ向き」に見えるかもしれません。
「幸せ」とは何か。
このように書かれています。
幸福であることを願わない人はいませんが、幸福とは何かを考えるだけでなく、幸福であるためにはどうすればいいかを考え、実際に幸福に生きることができなければなりません。
哲学者の三木清は、成功を「一般的」なものだと考えています。
一方で「幸福」は、成功とは違い「各人においてオリジナル」なものです。
今の生き方では幸福になれないと思っていても、なお常識に囚われている人は多いように思います。常識から脱却するには、常識とは違う考え方があることを知らなければなりません。
「生きていく」とはどういうことか。
このように書かれています。
生きていくことで感じる苦しみや困難は、鳥が飛ぶために必要な空気抵抗のようなものです。鳥は真空の中では飛ぶことはできません。空気抵抗という風の中でこそ飛翔できるのです。
時に、あまりに風が強くて鳥が押し戻されているのを見ることがあります。
それでも、鳥が飛ぶのをやめないのを見ていると、生きているということはこういうことなのだな、と思うのです。
生きていくことで感じる苦しみや困難は、
鳥が飛ぶために必要な空気抵抗のようなもの
そうかもしれませんね。
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