読書まとめ『むしろ、考える家事』→家事には、成長や社会参加の価値がある
『むしろ、考える家事』山崎 ナオコーラ
一言でいうと
家事には、成長や社会参加の価値がある
概要
帯に書かれた「家事に革命ではなく、家事で革命を」という言葉が、本書を端的に表しています。時短やラクさを追い求めるのではなく、家事をすることそのものに価値を見出そうとする姿勢ですね。
ジャケ買いならぬ、タイトル借り(図書館)だったのですが、私は効率や時短を追求しがちなタイプなので、真逆の考え方に触れるよい機会になりました。
特に印象だった部分を3つ紹介します。
① 考えごとは、人間らしさの追究
・人は考えごとから逃げるために、他の考えごとをする生き物。シロクマのことを考えない実験 を思い出しました。確かに、忙しい生活の息抜きとして、あえて頭を使うパズルをしたりしますね。
・料理は在庫・季節の旬・主菜副菜を考えるパズルであり、洗濯干しも考え方を変えれば日向ぼっこになります。そうやって考えながら主体的に家事をすることは、ロボットにはできない、人間らしい行動と言えます。
② 家事や育児は、オフではない
・仕事が終わったあとや休日のことを「オフ」と呼びますが、その時間で行う家事や育児も「オン」だ、という考えに共感しました。特に、本書でも例に挙げられている子ども連れでの旅行は、体調や食事など様々なことを考慮する必要があり、まさに「オフ」ではなく「オン」。
・子どもとの会話は、自然にふるまうだけでは物足りないことがあり、時間をかけようと心がけなければ十分なことができない、というのも納得です。育児を通して自分の興味を広げることを意識すると発見があります。私の場合は、娘と図鑑を見ながらモノの名前の英単語を覚えました。
③ 地球や自分に優しくしながら前には進めない
・子どもに家事を手伝わせると、ムダが多くてエコじゃないし、親はどっと疲れます。仕事の新人OJTにも似てますね。前に進むためには、一時的に地球や自分に負荷がかかることを覚悟する必要があります。
・子どもは親にありがとうを言う必要はない、という考え方もおもしろいなと思いました。相手から受けた恩を、その相手以外に返す「ペイフォワード」の概念と似ています。子どもに与えた愛情が他の人につながっていけば、家事や育児で社会をよくすることになりますね。