タンニン鉄液をパワーアップ?する話 その2 パックテストで比べてみた
前回UPしたタンニン鉄液をクエン酸でさらに強化するお話の続きです。何のことかわからない方は先に下のリンクをクリック。(^^)
さて、前回疑問点として残ったことは次の通り。
動画やブログでいろんな方が実験されているのを参考にするのもよいのですが、今回の疑問点に対するアンサーはどこにも上がっていませんでした。
というわけで、ここは一つ自分で仮説検証実験をしてみようと思った次第です。さあ、果たしてタンニンですでにキレート化した二価鉄イオンをクエン酸で分解して再キレート化させるメリットはあるのでしょうか?以下、小学生の夏休みの自由研究のような実験ではありますが、乞うご期待。(^^)
仮説
タンニンでキレート化した二価鉄イオンを、クエン酸で分解して再キレート化するならば、タンニン鉄液や最初からクエン酸で作った二価鉄活性液よりもさらに液中の二価鉄イオンは増え、植物の根張りはよくなるだろう。
今回行うのは実験1。タンニン鉄液、再キレート化液、クエン酸二価鉄活性液のパックテストです。今回実験に用いるそれぞれの液体については次の通り。
タンニン鉄液
いつものペットボトルに粉末緑茶を溶いて、新たに作ったものを使用。
再キレート化液
今回作ったタンニン鉄液を取り分けて、1Lに対してクエン酸3gを投入し、よく撹拌して1晩日置いたもの。
クエン酸二価鉄活性液
これまで作った経験がありませんので、これから作りまーす。^^;
温度を上げると反応が早まって、より多くの二価鉄イオンが短時間で溶け出すことがわかっていますので、水1Lに対してクエン酸3g、スチールウール3個をステンレス製の鍋に投入してIHクッキングヒーターで5分間加熱して作ってみました。
【水素が発生しますのでくれぐれも引火・爆発に注意】
火を止めてそのまま放置していたらどんどん色が濃くなってきましたので、適当なところでスチールウールを引き上げました。
さて、これでようやく3つの液体が揃いましたので、いよいよパックテスト開始です。
使い方はものすごく簡単。栓になっている黄色い糸を引き抜いて中の空気を指で半分ほど追い出し、液につけると吸い取ってくれますので、シャカシャカ振って中の試薬と撹拌して30秒待つだけ。オレンジ色が濃いほど濃度が高いということで、付属の色見本と見比べるとひと目で結果がわかる優れものなんですよね。(^^)
うーん、どれも値が10を超えてる気がします。これじゃ濃すぎて差がわかりませんね。おまけに元の液体の色がすごく反映されてる気が…。^^;
タンニン鉄液…2と5の間、3くらいの色でしょうか。
再キレート化液…5と10の間、8くらい?。
クエン酸二価鉄活性液…これも5と10の間、7~8くらいかな?
結果
考察
今回の実験結果から、タンニン鉄をクエン酸で分解して再キレート化すると二価鉄イオンが増えることがわかった。クエン酸によってタンニン鉄が一旦分解されて、より安定的なキレート化合物になり、タンニンではキレート化しきれなかった三価鉄イオンを含め、全ての鉄イオンがクエン酸とキレート結合するという説もあながち間違いではなさそうである。
パックテストの結果では、再キレート化液は最初からクエン酸で作った二価鉄活性液よりもやや二価鉄イオンの濃度が高いように見える。しかし、検査した液体の色味の影響を受けている可能性があるので、価が同等である可能性も捨てきれない。(不思議なことに再キレート化液は水で希釈するとかなり黒く変色した。)
いずれにしても、今回の実験の結果から3つの液体ともかなり高い含有量の二価鉄イオンが検出されたので、どれも植物にとっては有益であることは間違いないだろう。
今回、初めて作ったクエン酸二価鉄活性液は、煮沸中からきれいなエメラルドグリーンになり出し、その後どんどん色が濃くなった。あのままスチールウールを液に浸けたままにしておくと、タンニン鉄液のような黒い色になると思われる。マックスまでキレート化した時の二価鉄イオンの含有量はどのくらいになるのか?ぜひ知りたいところである。
最初からクエン酸で二価鉄をキレート化させる二価鉄活性液は多くの二価鉄イオンを含んでいた。これならタンニン鉄をわざわざクエン酸で分解して再キレート化しなくても、実際に植物に与えてみて結果が良好であれば作る価値があるのではないか。
いかがでしたでしょうか?我が家の台所で鬼の居ぬ間を見計らってこっそりと実験をしていましたので、いろいろ苦労しました。www
スボイトもメスシリンダーも無いので、計量には大さじと小さじを駆使しましたが、正しい濃度に希釈できているかどうかかなり疑わしいです。それから、水道水で希釈しているので、カルキなどの影響も受けていると考えられます。蒸留水とまではいかなくとも、せめてカルキ抜きはするべきでした。また、パックテストは一度だけ試して結論を出すものではなく、何度か行って平均を取らねば正しい値とは言えません。
更にこの後、何度も条件を変えて実験を行った結果、再キレート化液は作ってから日数のたったタンニン鉄液を用いて作ると、値がかなり下がることもわかりました。なぜか元のタンニン鉄液よりも値が低く出ることもありましたので、かなり状態は不安定なのかも知れません。
というわけで、ほんのちょっとした条件の違いで結果に大きなばらつきが見られますので、今回の私の実験結果のみで結論を出すのは早計です。あくまで参考程度といったところでご勘弁くださいね。
最後に、今回私が作っている水溶液はいずれも「植物活力素 メネデール」とほぼ同じ? 似たような成分だと思うのですが、植物に与えるのに不安のある方は、ぜひそちらをお使いください。利用に関してはあくまで自己責任でお願いします。^^;
実験2については、また今度。