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おもち作品集

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#本

最終目的地へ

『お題をもらって書く』より、「夜行バス」で

 人の世の常として、この度、わたくしも長旅をすることとなりました。旅と申しましても、目的地まではバスが運んでくれるため、わたくしは乗っているだけなのです。
 全ての乗客を乗せて街を出立いたしますと、あとはただひたすらに闇の中を進んでいくのです。土手道のような、闇の中に道だけがあるような景色の中をずっと走るのですけれども、はじめはそれを眺めていた乗客たち

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雪と氷に覆われた世界で

『お題をもらって書く』より、「たったひとりのおんなのこ」で

 暗闇を少女は慣れた足取りで歩く。全ての窓が雪と氷に覆われ、建物の中には一切の光が入らない。少女が手に持ったランタンだけが、ぼんやりとした光を放っていた。

 照らし出される壁面は書架だ。ここはかつての図書館であり、研究施設であり、地上が凍り付いてからはシェルターとしての役割も担っていた。だが、かつてここに逃げ込んだ人々、そしてここで研

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