ギラギラな目
「ちょっと汚いけど、すごいカッコいいね!」
セブ島旅行で息子がタクシーから外の風景を見てつぶやいた。
私は「?」。きょとん。
土の道にはゴミがたくさん落ちていて、強い日差しの下、子どもたちは潰れたボールで10対10くらいでバスケをし、大人たちは皆、半裸で露店で食べ物などを大笑いしながら売り、野良犬たちは野良山羊たちと広場でミーティングしている。
熱気、歓声、罵声、泣き声、汗、匂い。ぐちゃぐちゃ。カオス。
私は気が付いた。ここの人たちの共通点は目のギラギラ。目がギラギラ。日本ではこんなギラギラな目を見たことがなかった。
なんでこんなに目がギラギラなんだ?
考察。
私はフィリピンで生まれ育った訳ではないからわからないが、みんな本気で生きているからではないか。本気で仕事をし、遊び、泣き、笑っていた。セブ島で出会った人たちは私の2人のこどもを初対面にも関わらず本気で抱きしめてくれた。ひとつひとつの行動に熱量があり、外にパワーを放射している感じだった。そして、私も思った、ギラギラ目のフィリピンの人たち、カッコいい!
「ちょっと汚いけど、すごいカッコいいね!」
5才児の溢れた気持ち、言葉。その感覚。大人たちはこうして子どもに学ぶのだ。すべての透き通った心は尊いと。
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