子どもの今を知る。
「なにができたか」だけじゃなく「どれくらいできたか」を見てあげたい。
これも平熱さんの本から抜粋しています。
これって支援が必要な子に限らず、子ども全般に言える事だなと思いました。
「速く走れた」
「大きな声で挨拶ができた」
「洋服をきれいに畳めた」
など「何ができたか」に当てはまる事は誰が見てもわかる事であり評価しやすい事。
「どれくらいできたか」は普段の様子をしっかり見ていないとわからない。
この「どのくらいできたか」をしっかり見ていないと、誤った声かけをしてしまうかもしれません。
それによってこどもの心を傷つけてしまったり、意欲や自信を失わせてしまったりする事にもつながり兼ねないと思うのです。
たとえば運動会練習で「よーいどん!」で走り出したはいいけれど、ゴールする前に立ち止まって走るのをやめてしまった子がいたとしましょう。
その状態だけを見ると「最後まで走り切る事ができなかった」という印象が強く残ってしまいがちです。
でも練習を始めた頃は一人で走ることができず、担任と手をつないだままでないとスタートダッシュを切る事が出来なかったとしたら?
一人でかけだしただけでも大きな大きな進歩だと思いませんか?
普段の様子を知っていたら、途中で棄権した事に目がいくよりも「一人であんな所まで走ることができた!」 と喜ばしい場面になると思うのです。
そうするときっと声掛けの内容も「一人でスタートできたね!」「あんな所まで一人で走れたなんてすごいね!」と頑張った姿を認め、めちゃくちゃ前向きなものへと自ずと変わっていくと思います。
できた・できなかったの評価ではなく、「どのくらいできたのか」に焦点を当てていく事は、保育士時代も自然とやっていた事ではありますが、改めてその重要性を感じました。
それに、「今どのくらいできているのか」という言わば子どもの現在地を把握していないと、次へのねらい・方向性(ここで例えるなら目的地)は決められないと思うのです。
今の子どもの状態を知る事で、保育や支援のねらいを立てる事ができますし、そこからどのくらいできたのかに注目する事ができる。
子どもの今を知る事の大切さを、子どもと関わる全ての人と共有できたらなと感じる事が出来た平熱さんの一文でした。
姉の事例と絡めてお話したい事もありましたが、長くなってしまいそうなので一旦おしまい。