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最後に頼りになるのはやっぱり人間である。そういう人には最初に恩返ししたい。

はじめてトライするものごとというのは、とにかくいちいち時間がかかる。
はじめての案件、はじめての夕飯づくり、はじめて行く場所、はじめて扱う家電、はじめて組み立てる棚…。
経験知のないノーヒントのものごとは、やれグーグル検索だ、やれYouTubeだ、GoogleMapだ説明書だと、とにかく調べながら、手探りで進めていかねばならないからだ。
何も考えずにできる洗顔や歯磨きとはわけが違う。


もうひとつ。
「石の上にも3年」はもう古いというが、なにかひとつものごとを成そうとするなら、10年は必要でないかと思う。
これは「なにかを習得するには10,000時間がかかる」にも紐づくと思っていて、10,000時間を10年で割ると1年あたり1,000時間となり、1,000時間を365日で割ると1日あたり2.7時間となる。
…わりあい的を得た数字だろう。


わたしはライター業をはじめて4年目だ。
それでも「はじめて」が未だにたくさんやってくる。

「執筆」は1日3時間以上のペースでしているとしても、クライアントが変われば対応も変わる。
問題は執筆ではなく、顧客対応なのだと最近気づいた。
はじめての案件、はじめてのクライアント…とにかく対応に困ってしまうし、時間がかかるのだ。

クリエイター業が長続きしないひとつの原因には「顧客対応のつまずき」があるとさえ思う。

ところが、あたり前だが顧客対応は顧客あってこそ場数を踏めるものだ。
ひとりでは練習のしようもない。

それに、本音は顧客対応こそが仕事の肝だとも思う一方で、(日々納期との熱戦を繰り広げているわたしのような)クリエイターは納品物の制作に余念がないし、顧客からしてもやりとりに時間がかかると負担である。
つまり顧客対応には時間がかけられない、かけないほうが好ましいのが現状なのである。


クライアントは何を求めているのか、どう返信すれば受注につながるのか、どうコミュニケーションを取れば互いに気持ちよくスムーズに仕事が進められるのか。

残念ながらそんなことはWebにも書籍にも書かれていないのだ。
もしくは、書かれていたとしてもごくごく一般的で抽象的な内容である。なぜなら一般的な内容しか書きようがないから。

しかしながら日々われわれが直面するのは、一般的な、手本のようなやりとりではなく、至極個別具体的な実案件なのだから皮肉なものだ。


学ぶ機会も学ぶ手がかりもないものごとは、まるでまっしろで辺すらないジグソーパズルのように感じる。もっというと、ピースは凸凹がなく正方形である。
ハイパースペシャルハードモード。
もはや無理ゲー。


…そういうことはやっぱり、人に教わるのがいちばん早い。
ハイパースペシャルハードジグソーパズルにずばっと切り込んで「辺」をつくってくれて、中華の達人のキャベツ千切りのようにピースに凸凹をあしらってくれて、目指すべきゴールの図柄を下書きしてくれる。
先輩の頭のなかでほぼ完成したパズルが「やってごらん」とピースをばらして差し出されるようなものだ。

あとはもう、辺とピースの形を頼りにパズルを完成させて、図柄を「わたし色」に塗っていくだけだ。


忙しい社会人(しかも先輩)の時間をいただくのはとても恐れ多いが、早く成長すれば早く恩返しできる可能性が高くなる。

なにより調べられないことを尋ねもしないデメリットが大きすぎる。
下手すると幾度失敗を重ねても、パズルの図柄も辺も凸凹もひとつもつかめないおそれさえある。
…それでは心が折れてしまう。

それに「え?まだそんなことも知らないの?」みたいな恥は早めにかいておいたほうが後々のダメージも少なくてすむ。


今日もわたしは先輩方や仲間のやさしさに支えられて生きています。
早くわたしもそちら側にたどりつきたいぜ。

10,000時間を余裕でオーバーする10年を積み上げたい。
残り7年のうち、今年1年がひとつの山場な気がしている。(直感)



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたが最近トライした「はじめて」はなんですか?

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