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自分のためにお金を使うほくほく感

帰省していたときのことを、すこし。

買いものに行くけどついてきてくれるか?と母。
ついていきますとも。

ショッピングモールに行くのなら、わたしもUNIQLOと本屋に寄りたい。
UNIQLOには明確に欲しいものがあるが、本屋は気になる本が並んでいれば買おうかな。
そんな軽い気持ちで。

ふだん本屋はひとりでしか行かない。
本屋に行くと2時間、下手したら3時間ぐらい平気で過ごしてしまうから、誰かと一緒に行くのは申し訳ない。
でも今日は本屋が入っているショッピングモールに行くというのだから、ついでにのぞいてみようじゃないか。チラッとね、チラッと。

∽∽∽

どこにでもあるごくふつうの、小さな本屋さん。
しかしやっぱり足を踏み入れると昂揚する。
あの本もおもしろそうだし、この本もおもしろそうだなあ。

好きな作家の新作は出ているだろうか。
電子書籍で読んだあの本、やっぱり紙でもほしいよなあ。

話題の書コーナー、売筋ランキングコーナー、映像化コーナー、ビジネス書の棚、新刊の棚、文庫本、新書…。

ざーっと1周しおわったとき、わたしの左手にはすでに文庫本1冊と単行本3冊。
そんなに買ってどうする。
まだ家に積読がたくさんあるじゃないか。
妹から借りたまま読んでいない本もあるし、
なにより帰りのスーツケースが重たくなるじゃないか。

自分へのツッコみが光速で頭のなかをよぎっていくも、わたしは同じぐらい光速でレジカウンターに吸い込まれていった。

昔から父も母もよく言っていた。
「本なら買ってもいいよ」と。

そう、本は文句なしに買ってもいい。

お会計約6,000円。
4冊買ったのだからそれぐらいするだろう。
むしろ安いほうかもしれない。

…ふかしたてのじゃがいものように、心がほくほくした。

もしかしたらわたしは本が欲しかったのではなく、本を買う体験をしたかったのかもしれない。
買いものでストレス解消する人もいるらしいが、このときのわたしももしかしたら本を買うことがストレス解消だった可能性がある。

いやそんなことはどうだっていいのだ。
わたしはとにかく、本を買って嬉しかったのだから。

∽∽∽

その後寄ったUNIQLOでまた、下着を5枚買った。
もう何年使っているかわからないヨレヨレの、しかも「部屋干し臭い」といわれた肌着を総入れ替えするために。

…6,500円のお買い上げ。

おいおい、母の買いものの「おとも」だったはずが、たった数十分で1万円以上使ってしまったじゃないか。

でもいいのだ。
肌着や下着の類は「まだ使えるから」といって買い替えるタイミングを見失いがちなのだから、思い立ったが吉日だ。きっと。


というか、仕事に関するもの以外で、本当に「欲しい!」と思ったものを、最近わたしはわたしのために買っていただろうか。

たしかに4月にライブには行ったが、そのチケットを手に入れたのは昨年10月だ。

帰省したら家族と必ず足を運ぶエスニック料理店でカレーを食べる
ふらっと本屋に寄って、買うつもりじゃなかったのに本を買っちゃっている
好きな喫茶店、美術館、新しくできた商業施設…

何気ないことだし、お金を使う / 使わないは別にしたって、心がほくほくするこの感じはだいじだと思う。

よく遊ぶこと。
遊べる心のあそびを取り戻すこと。

しつこくいうけど、昨日のスーツもいい買いものだったなあ…!



今日も読んでくれてありがとうございます。
最近あなたの心がほくほくしたことは、なんですか?


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