夜道と涙|詩
あでやかに輝く白い月に
泣いているきみの姿
透き通った長い髪とピアスは
夜風にふかれて
車のライトに反射する
夜の街に汚されたぼくらは
赤信号の前で足をとめる
きみの冷たい横顔から流れる
ひとしずくの涙は
まるで雪の結晶みたいに
ひどく美しくて感傷的だった
今にも壊れてしまいそうなきみに
ぼくはそっと手をつなぐ
信号が青に変わる
温もりを抱きしめながら
一歩一歩と白い線を踏みたおす
今夜、希望と理想は車に轢かれて死んだ
あるのは絶望と現実だけ
それでも進むしかない
きみとぼくが笑える
その日を信じて