大丈夫。そのままでいいんだよ。
子どもの頃は足どりが軽かった。怖いもの知らずだった。この世界はまるで絵本のように、美しくて楽しいものに溢れていると信じていた。その時は毎日がワクワクしていてときめきに満ちていたように思う。どこにだって行ける。何者にもなれる。そんな期待さえもあった。
そして大人になった今の僕は、それらすべてが詭弁でしかなかったことに気がついてしまった。現実は、嘘と悪意に溢れていて、優しくて真面目な人ほど心を痛める悲しい世界だ。今日もこの世界では、名もなき人が自ら命を絶っている。その人が味わっ