ヨヒラ

優しい雨に絆されて

ヨヒラ

優しい雨に絆されて

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満たされない

花瓶に水を注ぐように この空っぽな心を満たすような 偽りのない愛情がほしい 人の温もりがほしい 時々あまりの寂しさに 眠れない夜を過ごすことがある 人恋しくて虚しくて 枕元で泣きそうになる いつも一人ぼっち 家族も友人もいるはずなのに どこか枠から外れているような気がして 「自分なんてここにいなくてもいい」 と思い始めて自らその場から離れてしまう いわゆる人間関係リセット症候群なんだと思う 本当は深く繋がりたいはずなのに もっと一緒に話していたいのに 心が受け入れてくれ

    • もう一人で泣かないで

      noteに出会えてよかったと思う この場所に紡がれた言葉たちに 救われたことがあるから 昔の僕は読む側だったけれども 今は書く側となった “死にたい”と泣いている あなたを救いたいと思ったから あなたの悲しみを拭い取りたいと思ったから 僕はあなたが今どんなことに 苦しみを感じているのか とんな痛みを背負っているのか 知りたくても分からない きっとこれからも それでも一つ分かることといえば あなたはとても優しい人であるということ それは合っていると思う 誰よりも周りに

      • 降り止まない雨

        繁華街から漏れるネオンの明かり ビル風とともに流れる人の声 嘘と欺瞞にみちた広告 憂鬱な火曜日 空は灰色に染まって 人の気持ちを汲み取るように 憂いた情景を映し出す イチョウ並木には 濡れた葉が涙のようにこぼれる 黄色の枯れ葉は秋風に吹かれて どこか遠い場所へ飛んでいった そのまま僕もつれていってくれないか 名前の知らない静かな場所へ もう僕は上手に笑うこともできないんだ 死ぬことばかり考えてしまうんだ ただ命を浪費しているだけなんだ いつだって胸が苦しくて もはや

        • 茜色に染まる

          ゆっくり歩く帰り道 じゃり道を踏みしめながら いつもと変わらない街の景色を眺める。 この街はなにも変わっていない。 あのビルも。あそこの橋も。近くの公園も。 子どもの頃から同じままだ。 そして、大人になった僕も 子どもの頃からなにも変わっていない。 どこまでも弱くて、泣き虫なままだ。 夕暮れのまばゆい明かりが 僕の空っぽな心を、茜色に染める。 あたたかくて、やさしい色だ。 夕暮れを切なく思ってしまうのは きっと僕が甘えてばかりいるからだ。 子どものままでいたい。 純

        満たされない

          生きる

          誰もが生きる意味を探している。 それぞれの夢や生活をかかえながら 何も見えない暗い道のりを進み 今日を生きている。 誰かは生きる希望を語り 誰かは生きる絶望を語る。 僕は明らかに後者の人間だ。 この日々に意味をみいだそうと もがきながら生きている。 きっと僕の書く文章は万人受けしない。 暗い話ばかりで、読んでいても 胸糞が悪いかもしれない。 でも、僕はこれからも このスタイルで 書き続けていこうと思う。 本当に辛くて苦しい時、 希望は毒になる。 死にたい人に、生

          薄れていく

          思い出せないことばかりが増えてしまった。 あの頃の楽しかった思い出も、嬉しかった出来事も、 もやがかかったように、記憶の中から薄れていく。 自分の大切なものが年齢を重ねるたびに失われる。 そんな気がして、胸の中がきゅっと締まる。 忘れたくない。無くしたくない。 あの時に触れた体温も。かけてくれた言葉も。 僕にとっては、かけがえのない出来事だった。 だけども、それも記憶の中から消えつつある。 心に穴が空いたような、空虚感と虚しさが 大きな影を伸ばして、背後につきまとう。

          薄れていく

          大丈夫。そのままでいいんだよ。

          子どもの頃は足どりが軽かった。怖いもの知らずだった。この世界はまるで絵本のように、美しくて楽しいものに溢れていると信じていた。その時は毎日がワクワクしていてときめきに満ちていたように思う。どこにだって行ける。何者にもなれる。そんな期待さえもあった。 そして大人になった今の僕は、それらすべてが詭弁でしかなかったことに気がついてしまった。現実は、嘘と悪意に溢れていて、優しくて真面目な人ほど心を痛める悲しい世界だ。今日もこの世界では、名もなき人が自ら命を絶っている。その人が味わっ

          大丈夫。そのままでいいんだよ。

          真夜中の鼓動

          憂鬱な気持ちをリュックの中にしまって、真夜中の街を徘徊する。まわりには誰もいない。錆びたシャッターと閉店の文字だけが目につく。眠れない夜を過ごす僕は、目的もなく暗い夜道を歩いていた。 寝しずまった街の中で、秋の夜風がさびしげに鳴り響く。廃れた公園を眺めるように、どこか温かくも悲しい感傷に襲われる。子どもの頃は叶えたい夢が数えきれなぐらいあった。でも今の僕は『普通の生活を送ること』それが一番の叶えたい夢になっている。 誰もが痛みと悲しみを抱えながら生きている。それぞれの今日

          真夜中の鼓動

          月夜に溺れる

          夜空に月がほのかな光を帯びて、明かりを灯している。星は金平糖のように、小さく可憐な姿をしながら街中にひっそりと浮かんでいる。僕は秋風にゆられながら、川辺でひとり夜空を見上げていた。 夜の空はまるで海のように美して綺麗だった。どこまでも空は広くて、波のように流れていく雲は、蜃気楼みたいに星の光をぼやかす。昔の人は、一つひとつの星に名前をつけて、星座を作ったんだろうか。そして、名前をつけられた星たちは意味を見出され、今も真っ黒な夜空のキャンパスに、カラフルな色をつけて、人の目に

          月夜に溺れる

          雨音がなり響くこの街に

          街は雨音で溢れている。雨粒はポツポツと音を鳴らして、打楽器を奏でるようにリズミカルな演奏をしている。空は灰色に染まり、雲の隙間から雫が流れ落ちている。僕と飼い猫は、そんなハーモニーに満ちた街の景色を、窓辺からそっと眺めていた。 僕はコーヒーを啜りながら、飼い猫の頭をなでる。猫はそれを嬉しそうに受け入れて、喉を鳴らしながら僕の肩に身体をすりつける。そんな姿が愛おしくて、心の中がほっと温まるような感覚を覚える。僕はぬいぐるみのように柔らかくて温かい身体を、大事に抱えよせて、猫と

          雨音がなり響くこの街に

          さようならの数だけ花束を

          「さようなら」この言葉を聴くと胸の中がきゅっと締まるような感覚がある。もうあなたには会えないのかもしれない。そんな不安が頭によぎってしまうから。 別れはいつもふいに訪れる。 今まで親しい関係性を築いていた仲だとしても、その人自身の苦悩や悲しみを心の底から理解することは難しい。いい意味でも、悪い意味でも、人それぞれ人格や容姿、経験に差があって、その溝を埋めることは生半可なものではない。だから「私はあなたのこと何でも知っているのよ」というのは、少し軽薄な発言だと思う。 過去

          さようならの数だけ花束を

          上手な生き方が分からない。

          幸せなひと時は一瞬なのに、後悔や不安はずっと背後につきまとう。あの時あぁすればよかった。もっと周りの人を大事にすればよかった。自分のことをもっと愛すればよかった。そんな過去の出来事ばかりが脳裏に浮かんできて、戻れない日々に思いを馳せてしまう。 人生はゲームのようにリセットができない。毎日選択をせまられて、限られた脳でいろいろと思考をめぐらせる。正しい判断をする時もあれば、間違った判断をする時もある。正しい判断ならそれでいい。でも、間違った判断をすると取り返しのつかないことに

          上手な生き方が分からない。

          白紙の人生

          『もし人生に価値をつけるのなら、どれぐらいの値段で売れるんだろうか』そんなことを頭の中で考えながら、白紙のキャンパスに藍色の絵の具を塗る。 空は青く澄みわたり、街に鮮やかなグラデーションをかける。風は行き交う人たちの言葉を拾い集めて、ヒューヒューっともてはやすように、声をあげながら街中を駆けめぐる。悲しみなどはなから存在しないかのように、自然は気ままに唄いつづける。僕は触れたら壊れてしまいそうな景色を、ただ眺めながら、キャンパスに筆を滑らせていた。 人もキャンパスのように

          白紙の人生

          ひとりぼっちの世界

          もう9月だ。いつの間にか季節は移ろいでいて、秋風が優しく髪をなびかせる。並木道の葉も茶色や黄色に染まってきて、夏の終わりが近づいている。大人になるにつれて、時の流れは早くなった。自分は子どもの頃から何も成長していないのに、時間だけは無情にも消費されてしまう。そんな現実が苦しくてたまらない。 僕はこの数十年間。やりたいことも叶えたい夢も見つけられずに、与えられたことを、ただこなしていくだけの日々を過ごしていた。友情も恋愛も築いては、壊れて、また築いては、壊れて。それの繰り返し

          ひとりぼっちの世界

          『ひまわり』 〜夏の終わりを告げる〜

           太陽の光がギラギラと差しこむ午後13時。僕は日課のお散歩をしに、リュックと水筒と本をもって町にでる。今日も外は真夏のような暑さで、身体がとけてしまいそうだった。すこし歩いて駅前にある大きなモニターを見てみると、気温は35℃と表示されていた。「どうりで今日も暑いんだな」と心の中でつぶやく。  僕は避暑地をさがしに、町を歩くのをやめて公園に向かう。たどり着くと、木の下にある年季のはいったベンチに座って、そのまま身体をやすめた。木漏れ日がゆらゆらと光を揺らしていて、心地の良い風

          『ひまわり』 〜夏の終わりを告げる〜

          夜の底に沈んでいく

          寝室で時計の針がカチ、カチ、と音を響かせる。僕はつむっていた目をあけて隣に置いてある目覚まし時計を見る。時刻は深夜2時。もうそんな時間かと溜息をつく。寝ようとしてもなかなか寝つけない。 窓辺からはほのかに月明かりが差しかかっていて、あわい光が暗闇を照らしている。僕はその光をただぼっーと見つめながら頭を空っぽにしている。こういう眠れない夜を過ごしていると、どうしても悲しい気持ちにのみこまれてしまう。嫌な記憶や不安な将来ばかりが脳裏にうかんできて、だんだんと胸が苦しくなっていく

          夜の底に沈んでいく