第181回:いもキスを読み終えた
こんにちは(^^)あみのです!
先日、海空りくさんのラノベシリーズ『カノジョの妹とキスをした』(以下いもキス)の4巻を読了しました。
久々に刊行された4巻はシリーズ最終巻。ラノベとしては巻数が短めですが、余計なエピソードもなく、ちょうどいいタイミングでの完結だったと思います。
ラノベで最後まで読めたシリーズが少ないのはもちろん(続きが読みたくても打ち切られた作品がほとんど)、これまで読んだラノベの中で1番結末が知りたかったシリーズだったので、しっかり完結まで辿り着けたことが何よりも良かったです。
今回の記事ではシリーズを読み終えての感想を書いていきます。とはいえ、noteで『いもキス』について触れるのは初めてなので、まずは1巻のあらすじを貼っておきます。
ドロドロした三角関係を描いた「”不”純愛ラブコメ」。ただヒロインが可愛いだけのラブコメじゃ物足りない!って方、どうですか…?ドキドキ、ソワソワするシーンがどの巻にもあるので、未読の方はぜひ一気読みがおすすめです。
最終巻を読み終えて
前回(3巻)が、博道が完全に時雨と付き合うようになる→その現場を晴香に見られるといったラストでした。なので博道が時雨に浮気したことで、晴香の方はどうなってしまうのか?そして博道は自分にとっていい恋の結末に辿りつけるのか?とても気になっていました。
というわけで今回ついに、私が気になっていた部分が次々と明らかとなりました。
まず博道と時雨の関係を知ってしまった晴香。シリーズを通して、彼女が1番可哀想な立場だったんじゃないかと私は思いました。
大好きな博道が妹と浮気をしていた事実はもちろん、悪い大人に自分の夢を台無しにされてしまったことも重なり、晴香はだんだんと病んでいきます…。博道に「死んじゃうかもしれないから」と告げていたシーンはもはや狂気でした。
純粋な気持ちも高まりすぎてしまうと、本来の自分を見失ってしまう。誰かを好きになると毎日に楽しみが増える一方、深くはまりすぎると取り返しのつかない事態を起こしてしまうかもしれない。晴香の豹変ぶりからはそのようなことを強く感じました。「純愛」って実は恐ろしい。
恋人同士でありながらも、お互いの理想が高すぎたことがギクシャクの原因となってしまった博道と晴香。それぞれの気持ちを話し合って別れることを選んだ2人ですが、ここで終わらないのが『いもキス』かと。
晴香との別れ直後の大どんでん返し。そして博道たちの未来を描いたエピローグ。
ハッピーエンドともバッドエンドとも捉えられるエンディングではありましたが、心に「嘘」を隠していたとしても博道がその生活にわずかにでも幸せを感じていれば、それは「ハッピーエンド」と呼んでもいいのかなと思いました。最初から最後までたくさんの「猛毒」で満ちていた『いもキス』だからこそ辿りつけた結末なのだと思います。
『いもキス』は、私にとって新しいラノベの扉を開けてくれたシリーズでした。物語は4巻で終わりですが、本は手元にはあるのでいろんな表情の博道、時雨、晴香には何度も会えます。また時間をおいて1巻から読み返してみたいなと思いました。その際には、今の私には見えなかった博道たちの表情にも気付けたらいいですね。