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食欲の秋っぽい青春小説
今回は食欲の秋におすすめな1冊を紹介します。
紹介するのは、汐見夏衛さんの『さよならごはんを今夜も君と』という作品です。noteで私が紹介した汐見さんの作品は今作で10冊目となりました。汐見さんで食をテーマにしたお店ものって見たことがないなーと、発売前から凄く読みたかった1冊です。
『さよならごはんを今夜も君と』感想
物語の舞台は、10代限定でおいしい料理をふるまうお夜食のお店。今作では店主の朝日さんと、「食」に関する悩みを抱えた少年少女との温かな交流が描かれました。
まず、今作を読んでいて食べたい物を我慢することって、一種の呪いのようだと感じました。
今作には、ダイエットのために無理やり日頃の食事を我慢する若葉や、親からオーガニックの食品しか食べさせてもらえない凌真くんと、自分であるいは他者によって食事制限という呪いをかけられている子も登場しました。
食べることは毎日を元気に過ごす力をくれるのはもちろんだけど、そもそも自分が本当に好きな物を食べないと元気は出ないと思うし、食べたい物を自由に食べられることが食事における1番の幸せだと、若葉や凌真くんのエピソードからは実感しました。
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今作の全体を通して印象的に描かれていたのは、ふとしたきっかけから朝日さんのお店でアルバイトを始めた小春という少女の成長ではないかと思います。
小春は家族からの期待に応えすぎてしまい、自分を見失ってしまいましたが、朝日さんの料理との出会いが彼女を大きく変えていきます。小春と数々の同年代との出会いからは、食事中のコミュニケーションも好きな物を美味しく頂くためには欠かせないものだと思わせてくれました。
また、小春にとっての悩みの種だった母親との関係も朝日さんのおかげもあって無事解決し、清々しい気持ちでアルバイトに励めるようになった彼女の今後にも注目したいところです。
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今回も学生に向けたメッセージが強い内容かなと思った一方で、日々の食事の重要性を改めて感じられた内容でもあり、今の私が読んでもなるほどと思った箇所が多数ありました。
私も朝とか気分次第で食事を怠ってしまうことがたまにありますが、そんな時にこの本のことを思い出せたらいいなと思います。
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