なんでもない日おめでとうのレシピ#014
生たけのこ卒業によせて
これまでもう10年近くでしょうか。
毎年この季節、実家からの愛情だと思うのですが、
突然大量の生たけのこがサプライズで送られてきていました。
届くのはだいたい出かけようとした時や、
ゴールデンウィークに旅行に出ようと支度をしていた時で
「母さん、タイミングがいつも絶妙だね…」とゼイゼイ肩で息をしながら下拵えをしていたのを覚えています。
それでも仕込みが終わったたけのこは毎年美味しくて
「ありがとう」と電話をしながら、「お互い今年も大変だったね」と言い合ってきました。
それが今年は母の方から「今年はもう、たけのこの下拵えをする時間はないよね。私ももうやるのがだるいわ」と言ったのです。
私は「今まで本当にありがとう。そうだね。忙しいよね。でも美味しかったね。ありがとうね」と答えて、ひとつの時代が終わったのを感じました。
スーパーで見かけた時に「今年は、もう生のたけのこを下拵えから始めたりしないからね。これからは水煮を買おう!」と宣言すると、家族は「へー」と。
そう、もう食卓にたけのこの品が7品から10品アホみたいに並ぶことはしばらくないだろうし、
冷凍庫をたけのこが占領することもないのです。
この時期冷凍庫に好きなだけアイスを入れても良いし、コンロも大鍋に占領されることなく、米糠まみれになることもありません。
何より玉ねぎみたいにどんどん剥けていくたけのこ、「どこまで剥くのが正解か」と悩むことももうないのです。
そう夏休みの子供みたいに伸び伸びと言う私を見て、「じゃ、水煮で。この時期は国産の新たけのこの水煮がたくさんあるね」と家族が背中を押してくれました。
1パック380円。2つ買っても760円。
誰かが丁寧に美しく下拵えしてくれたたけのこです。ありがとう。。
たけのこの下拵えは基本的に放置プレイだからむずかしくはないけれど、
なにしろ時間がかかるのと「これで合ってるかな?」と首をかしげる工程が多いですよね。
10年くらい続けていたから何かしら学べば良いものの、毎年記憶がリフレッシュされていて毎年ノートを見て覚え直し。
あの手間あの時間が760円で買えるありがたみ。。
そんなわけで今回はまずたけのこメニューを紹介させてください。
たけのこは下拵えまでが大変だけど使う時は超簡単です。
まずは水煮を買ったら気軽に作れる若竹煮、ぜひ作ってみてください。
これからいろいろな方に頼んで、良い音で録音していきたいと考えています。ライブ活動も行なっていきたいです。もしもサポートいただけましたらとても助かります。