漫画感想文「ガラスの仮面」34巻 美内すずえ(花とゆめCOMICS)
真澄さま巻でした。
父・速水英介が絵や衣装を飾った紅天女部屋を作るガチヲタだったことにも驚きましたが、真澄さまの過去が丁寧に語られたので、この巻の終わりのほうで紅天女のふるさとへ行くマヤたちのホームの陰に立っているのが大ゴマで映されたとき、はっと胸を衝かれるような気持ちになりました。
マヤが紫のバラのひとは速水さんだと気づき、信じがたくて悩んでいるのが、丁寧な回想とともに紙幅を割いて描かれています。
「そのひとがよりによってあの速水真澄だなんて…!」というモノローグで地面の草を一房掴み、その手がぷるぷると震えている描写など、少女マンガの時代を感じるのも楽しいです。
思い当たる節が一つ一つ回想され、たしかめるのがこわい…!と葛藤しているとき、蘭がコナンの正体に感づくときのことを思い出しました。
ついに紫のバラのひとの正体に気づいたマヤ。その速水真澄への複雑な、もう嫌ったり恨んだりしているのではない思い。でも真澄にはお見合いをした相手がいて。目が離せません。