[詩]はじめの一歩
彼女は一歩を踏み出した。
僕は黄色い線の内側から彼女の背中を眺めていた。
勇気を持って決断しろと大人は僕によく言うけれど、果たして勇気や決断はいつも正しさを伴うのだろうか。どんな決断でも貴方が決めたことなら応援すると言うけれど、時に応援は無責任に変換されてしまう。決断や勇気が美化されるのであれば、テロやカルトは美しいはずだ。
電車が止まる、彼女は決断した。大きく一歩を踏み出して。黄色い線の内側から自分の意思で飛び立った。果たして誰が彼女を責めれようか。決断することが正しさであればこの話はハッピーエンドに違いない。なぜなら彼女は"決断"したのだから。