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好きなものエッセイ

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2024年10月の記事一覧

「神社」

「神社」

神社が好き。

何でもない日常の中にたたずむ、ひっそりとした神社。

私は時々、どうしようもなく切迫した気持ちで、「神社に行こう」と思う。
「どうしても今、神社に行かなければ」と。
そして、ゆとりのある一日を選び、一人ゆったりと歩いて、行きつけの神社へ向かう。

神社の鳥居をくぐると、すべての色がワントーンもツートーンも鮮やかになったように見えるのは私だけだろうか。
どんな雨の日も曇りの日も、神社

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「パセリ」

「パセリ」

パセリが好き。

野菜の中ではダントツに。

昔、よく通った焼き鳥屋さんで、私は「パセリのお姉さん」と呼ばれていた。

「パセリが好きなんです」と公言し、つけ合わせのパセリをいつでも一つ残らずムシャムシャと食べる私に、お店の大将が「パセリのみのお皿」を出してくれたのが始まり。

あの時の感動といったら…!

山のように盛られた、神々しいばかりに緑輝くあのお皿を、私はきっと一生忘れない。

そしてそ

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「水」

「水」

水が好きだ。

水について思いを馳せるとき、私はそのスケールの大きさにほとんど気が遠くなる。

私がよく考えることの一つに、
「地球上の水の量は、地球が生まれた時から変わっていないのではないか」
というのがある。

雨は川となって海へ注ぎ、そして海は水蒸気となって空へ上がり、また雨となって落ちてくる。
宇宙が真空というからには、私の考えもあながち間違ってないのだと思う。

水が形を変えながらぐるぐ

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「ヴァイオリン」

「ヴァイオリン」

ヴァイオリンが好き。

あの、官能的で伸びやかな音色。

もう何年もずっとのお気に入りは、葉加瀬太郎さんの「冷静と情熱のあいだ」

この方のヴァイオリンはどれも素敵だけど、私にとっては今のところこの曲がダントツ。
延々とエンドレスで聞いているのにまったく飽きることなく、それどころか聞けば聞くほど惹かれていくから不思議。

胸の深いところを鷲掴みにされるような、恋に落ちた時のような、甘くて苦いような

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