手に入らないから 欲しいと思うのだろうか 欲しいと思うから 手に入らないのだろうか
ワインが好きだ。 白でも赤でもロゼでも。 スパークリングでもシャンパンでも。 ぶどうが好きなのかもしれない。 あの苦味の混じった大人びた甘さ。 私が言葉を覚え始めの頃、どうしても「ぶどう」と言えなくて、いつも「どぶう」と言っていたと、父と母はいまだに思い出しては笑う。 両親がまだ幸福だった頃の、遠い記憶。 外で飲む時、私が一杯目からワインを頼むと初対面の人は一様に驚く。 「お酒、強いんですね!」と。 最初はビール、というのは、大人の間の暗黙の了解らしい。 でも、それ
ガーベラの花が好き。 小さな頃からずっと。 昔会社の同僚と「相手を花に例えるとしたら何の花か」という話になったことがある。 気が強いのにどこかかわいらしくて、どんな相手とも気軽におしゃべりする上司は「金魚草」 いつも伸びた背筋が素敵な、華やかなおしゃれが得意な同僚は「白い百合」 そして私は即断で「ガーベラ」と言われた。 「すーっと伸びてパッと咲いている感じが、まさにガーベラのよう」なのだそう。 へえぇぇぇ…!と、みるみる笑顔になる私。 ガーベラ好きの私は本当に本当
好きなものについて考えるのが好きだ。 人の好きなものについて話を聞くことも。 「好きなもの」は、その人を構成している重要な魂の核だと思うし、ヘタな性格診断よりも、好きなものをどんどん書き連ねていけば、その人ができあがるとすら思っている。 だから自分の好きなものを見つけた時は、本当の自分にまた一歩近づいた気がして、自分が改めて愛おしくなる。 人の好きなものを知った時は、その人にまた一歩近づいたと感じて、その人が少し愛おしくなる。 おしゃべりなのに話べたな私にとって、相手
激怒している人は、困っている人、不安と悲しみでいっぱいの人だ 岸山真理子
ありがとう、と君に言われると なんだかせつない さようならの後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い The flavor of life… 宇多田ヒカル
バーゲンの赤いセーター奪い合いみんな誰かの愛する女 寒川猫持
それが安物だろうと玩具だろうと 音が悪かろうと壊れていようと 楽器である以上音を出す以外にすることがない 江國香織
与えられて選ぶんじゃなくて その足で 踏み出して Nao'ymt
こうしてこの時が 続けばと願ってから 人生はやがて たしかに終わると感じた 小田和正
心配しないで 悩まないで 誠意と努力を尽くせばいいのです あとは大いなる自然の流れに委ねましょう
ごめんなさい 生まれつきノーテンキで なんとかなると思っちゃう スガシカオ
月のように美しく 太陽のように暖かく 大地のように力強く 尊天よ あふるるみ恵みを与えたまえ
「将来の夢、500字以内で」 友達の描く未来は 数式のようにクリアで焦った それに比べて自分はと 何度も回答用紙を睨んだ 「天才」なんて柄じゃないし やりたい事も別にないし 「特別」でも「普通」でもない そんな自分を探している 藤原聡
夢が迎えに来てくれるまで 震えて待ってるだけだった昨日 明日 僕は龍の足元へ 崖を登り 呼ぶよ「さあ、行こうぜ」 中島みゆき
寂しさだけが いつも新鮮だ