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#小説
4 愛しき自由と……
その日のパイナップル畑でのキツい労働が終わり、俺は南国の海沿いの道を、バイクで走ってキャンプ場に戻った。
ゆるゆるとした夕暮れ。離島の空はまだ明るい。生ぬるい風には、壁のような密林からもれる緑色の空気が混じっていた。
亜熱帯植物が生い茂るキャンプ場の入り口にバイクを止め、夕日を少しだけ見つめてから敷地に入った。落日は驚くほど早く、海との距離を縮めている。開けた芝生の斜面には、赤や紺や黄色
その日のパイナップル畑でのキツい労働が終わり、俺は南国の海沿いの道を、バイクで走ってキャンプ場に戻った。
ゆるゆるとした夕暮れ。離島の空はまだ明るい。生ぬるい風には、壁のような密林からもれる緑色の空気が混じっていた。
亜熱帯植物が生い茂るキャンプ場の入り口にバイクを止め、夕日を少しだけ見つめてから敷地に入った。落日は驚くほど早く、海との距離を縮めている。開けた芝生の斜面には、赤や紺や黄色